第6話:村娘ローレンの依頼
あらすじ:オークリー村に到着した朝霧の耳に女の悲鳴が届く。朝霧は、野盗に襲われている村娘を前にして、秘めていた力を発揮するのだった。
※記事公開日2019年9月16日(記事更新日2019年11月24日)
中世ダークファンタジー剣戟ノベル『LANCASTER《ランカスター》』とは
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
LANCASTER《ランカスター》第6話:村娘ローレンの依頼
さっきは危ない所を助けてくれて、ありがとう
私はこの村に住むローレンよ
俺は、朝霧雫だ
あんた……どうやら、この村の人ではないようだね。見た事ない黒衣だ……
(見た事ない黒衣……まさかスーツの事を言っているのか……?)
あ、ああ。それより怪我はないか
ええ、あたいは大丈夫。それより、村の子供達が……
ローレン以外にも……まだ生き残りが?
ええ。襲撃に遭う直前、あたいと村の大人たちで、教会の地下に子供たちを匿ったの
でも、子供たちを隠した所で賊共が教会の中に現れて……
それで賊に追われるハメになったという訳か
こんなこと、見ず知らずのあんたに頼むのはおかしいって分かってる……
でも、お願い、子供たちを助けて下さい!
…………
さっきの強さ。あんたなら子供を救えるんじゃないかって……
強さか……俺にはローレンの方が十分強いように見える
え……
俺は人を殺す技術があるだけのようだ
それはどういう意味……
……
幸い、賊から奪った短剣がある。教会の中に入ったら、賊共は俺が引き受けよう。ローレンは、その隙に子供たちの所へ向かえ
え……
グズグズするな、急ぐぞ──────