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中世ダークファンタジー剣戟譚『LANCASTER《ランカスター》』連載中 © 2019 エンタメスタジオCre-eat

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

概要:今回は、漫画・小説・ゲーム等の商業作品から、創作に役立つカッコイイ必殺技の作り方・コツについて学ぶ記事となります。

 

 

こんにちは、綾崎あやめです。

大手ゲーム会社にて、ゲームデザイナーとして4年間ほどテキスト制作等をしています。

 

 

魅力的な必殺技、書けていますか?

この記事を読んだ後は、前よりも確実にカッコイイ必殺技を作れるようになります。

 

 

今回は、『BLEACH』『NARUTO』など人気商業作品にて、

必殺技がどのように描かれているかを見ていくことで、

魅力的な必殺技の作り方について学びます。

 

 

 

 

その必殺技はどういう立ち位置の必殺技なのか

 

必殺技を作るにあたって真っ先に決めたいのは、その必殺技の立ち位置です。

つまり、その必殺技は、

 

 

・美しい必殺技なのか

・破滅的な必殺技なのか

・卑怯な必殺技なのか

 

 

といったように、「どういったポジションの必殺技になるのか」を決める必要があります。

 

なぜなら、全キャラクターが一撃必殺の高火力技を使ってしまうと、

変化や差がなくてツマらない必殺技になってしまうためです。

 

 

商業作品から分析した所、必殺技の立ち位置は、主に以下の通りに分けられます。

 

 

 

美しい必殺技(見た目の華やかさや流麗な身のこなしから繰り出される技

例.朽木白哉「千本桜」、朽木ルキア「白霞罸」、カカシ「千鳥」等 

 

破滅的な必殺技(周囲のあらゆるものを巻き込むほどの破壊的な技)

例.山本元柳斎重國「流刃若火」、アルトリア・ペンドラゴン「エクスカリバー」等

 

卑怯な必殺技(毒、騙し討ち、暗殺など、非道徳的または非倫理的な技)

例.涅マユリ「金色疋殺地蔵」、大蛇丸「穢土転生」等

 

・テクニカルな必殺技(直接ダメージを与えるというよりは戦い辛い状況に持ち込むなど間接的な技)

例.平子真子「逆様邪八宝塞」、奈良シカマル「影縫いの術」等

 

ユニークな必殺技(一般的にはマネし辛い使用者独自の能力・性質・気質などに基づいた固有の技)

例.ガアラ「砂の盾」「砂の鎧」、黄猿「八咫鏡」等

 

・身体変化の必殺技(技を使用することで使用者の容姿・骨格・筋肉量などが変化する技)

例.トニー・トニー・チョッパー「脚力強化」「重量強化」等

 

引用元『BLEACH』『NARUTO』『Fate』『ONE PIECE』

 

 

必殺技の立ち位置が決まれば、他キャラクターとの区別も安易になるので、

ぜひ、必殺技の立ち位置について考えてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

「制限」が魅力的な必殺技を作る

 

制限があると、必殺技は魅力的になります。

なぜなら、制限があると、「いつ技をつかうか」「どういう状況で技を使うか」と、

人はつい気になってしまう性質を持っているからです。

 

この効果は、カリギュラ効果と呼ばれ、心理学的にも実証されています。

 

 

カリギュラ効果とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいう。

例えば、テレビ番組で、「ピー」などの効果音を付けて発言を聞こえなくしたり、

モザイク処理をかけて映像の一部を見えなくすることにより、

いっそう視聴者の興味をかき立てるなどである。

カリギュラ効果 - Wikipediaより引用

 

 

つまり、 読者は、制限があるからこそ、それを乗り越えて先を覗き込みたくなる訳です。

 

 

商業作品では、古くから、このカリギュラ効果を利用して、

必殺技に以下いずれかの制限を入れています。

 

 

 

回数的制限(使用できる回数に制限がある)

肉体的制限(使用する度に肉体に極度の負荷が掛かってしまう)

状況的制限(いちど使用すると周囲に壊滅的な破壊をもたらしてしまうため、使用できる場所が限られてしまう)

ール的制限(禁忌・掟・ルールにより「その技は使うな」と言われている)

 

 

 

例えば、『Fate』の衛宮切嗣は、時間操作の魔法を利用して、

2倍、3倍の速さで動けるようになる代わり、

加速度が上がる度に身体に極度の負荷が掛かります(回数的制限、肉体的制限)。

 

また、セイバーは、ひとたび宝具「エクスカリバー」を使用すると、

周囲に壊滅的な破壊をもらしてしまうため、

どんな場所でも使用できるという訳ではありません(状況的制限)。

 

 

 

 

 

 

必殺技に「弱点」を入れると物語が動く

 

制限=弱点でもあります。

弱点があることで、戦略が生まれ、戦略が生まれることで、物語が動き出します。

 

例えば、衛宮切嗣の場合、

 

 

 

弱点:

・身体強化をできる回数に制限がある(回数的制限

・身体強化をする度に、身体に極度の負荷が掛かる(肉体的制限

 

戦略性:

・いつ技を使うかが重要になる

・戦いが長引くと不利になってしまう

 

 

 

つまり、弱点があるからこそ、キャラクターは、その弱点を庇うように動き、

敵は、その弱点を狙って動くようになります。

これだけでもう物語になっていることが分かると思います。

 

 

必殺技は、一撃必殺の技であると共に、自身の身を危険に晒す諸刃の剣という訳です。

 

 

 

 

 

 

決め台詞があると必殺技はより魅力的になる

 

必殺技の名を叫びながら技を繰り出す、それでもじゅうぶん魅力的な場面になります。

なぜなら、必殺技は、普段は目にすることのできない秘匿された技だからです

人は、その秘匿性(内緒話、秘密事etc)に惹かれ、その先を覗いて見たくなります。

 

 

この「先を知りたい」という好奇心を更に盛り上げる方法があります。

それが、決め台詞です。

 

 

漫画『BLEACH』では、以下のように、必殺技(卍解)の名を叫ぶ前に決め台詞を言うことで、

「この先に何が起こるんだろう」と読者の期待感を高めています。

 

 

 

日番谷冬獅郎霜天に坐せ『氷輪丸』」

能力解放と共に、触れたもの全てを凍らせる冷気と氷の竜を創り出す。

「霜天に坐せ」という台詞から、思わず座して震える程の冷気を表現しています。

 

山本元柳斎重國万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」

能力解放と共に、斬魄刀の周囲に巨大な炎柱を生む。その熱は、雲を消し、天をも焦がす。

「万象一切灰燼と為せ」という台詞から、周りのものを全て灰にする程の火力を表現しています。

 

朽木白夜散れ『千本桜』」

能力解放と共に、刀身から分裂した桜の葉のような無数の刃によって対象を斬り刻む。

「散れ」という台詞から、刀身が無数の刃になって散る様を表現しています。

 

市丸ギン射殺せ『神鎗』」

能力解放と共に、刀身が刀百本程度の長さになるよう瞬時に伸長する。

「射殺せ」という台詞から、その突きの鋭さを表現しています。

 

狛村左陣轟け『天譴』」

能力解放と共に、鎧兜を身に纏った巨大な明王を具現化して、規格外の極大な刃を用いて敵を両断する。

「轟け」という台詞から、その一撃の重たさを表現しています。

  

涅マユリ掻き毟れ『疋殺地蔵』」

能力解放と共に、イモ虫状の巨躯に赤子の頭、口から致死毒を撒き散らす巨大な化物を具現化する。

「掻き毟れ」という台詞から、思わず掻き毟り暴れてしまう毒々しさを表現しています。

 

参考資料『BLEACH』

 

 

 

技の連想をしやすい台詞を口にすることで、

こんな感じで読者の期待感をグっと高めることができます。 

 

 

 

 

 

 

必殺技の後の台詞は印象に残りやすい

 

必殺技の後の台詞は、読者の目を引き付けた状態で言うため、印象に残りやすい傾向があります。

 

また、戦いを終えた後に口にする台詞は、

キャラクターの個性を色濃くアピールできる場面になります。

なぜなら、戦いの後は、喜び、悲しみ、虚しさといった飾りのない生の感情が出やすいからです。

 

 

Playstationゲームソフト『ヴァルキリープロファイル』では、

この必殺技後の台詞を活用して、キャラクターの個性を上手くアピールしていました。

 

 

レナス・ヴァルキュリア

その身に刻め

神技「ニーベルン・ヴァレスティ」

貴様に救いの道などない

 

アリューゼ

てめえの顔も見飽きたぜ

奥義「ファイナリティ・ブラスト」

わりと楽しかったぜ

 

エイミ

身体が熱い、力が目覚める

奥義「ドラゴンドレッド」

あっははは、快感

 

ブラムス

轟然たる我が魔力の胎動

奥義「ブラッディカリス」

さらばだ、脆弱なる者よ

 

『ヴァルキリープロファイル』より引用

 


戦いの後に口にした台詞によって、

そのキャラクターの人生観、死生観、宗教観といった個性がよく出ていると思います。

 

 

必殺技ひとつで、物語に緩急を付けたり、キャラクターの個性を出せたりするので、

ぜひ、これらの技術を使ってみて下さい。