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中世ダークファンタジー剣戟譚『LANCASTER《ランカスター》』連載中 © 2019 エンタメスタジオCre-eat

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

概要:当記事は、漫画等の商業作品からカッコイイ必殺技の作り方・コツについて学ぶ記事です。

※記事公開日2019年9月9日(記事更新日2019年12月1日) 

 

 

こんにちは、綾崎あやめです。

大手ゲーム会社にて、ゲームデザイナーとして4年間ほどテキスト制作等をしています。

個人では、現代から百年戦争の時代にタイムスリップした暗殺者の活躍を描いた

ダークファンタジーノベル『LANCASTER《ランカスター》』を連載中!


  

今回は、『Bleach』『NARUTO』など人気商業作品から、

カッコイイ必殺技の作り方について紹介します!

これを読めば、前よりもカッコイイ必殺技を作れるようになるはず……!?

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】その必殺技はどういう立ち位置の必殺技なのかを決める

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

必殺技を作るにあたって真っ先に決めたいのは、その必殺技の立ち位置です。

つまり、その必殺技は、

 

・美しい必殺技なのか

・破滅的な必殺技なのか

・卑怯な必殺技なのか

 

どういったポジションの必殺技になるのかについて決める必要があります。

なぜなら、全キャラクターが一撃必殺の高火力技を使ってしまうと、

変化や差がなくてツマらない必殺技になってしまうためです。

そのため、必殺技を作るにあたって、必殺技の立ち位置を決める必要があります。

 

次の項目では、商業作品にて実際に共通して見られる必殺技の立ち位置の分類を紹介します。

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】商業作品に共通して見られる必殺技の立ち位置の分類

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

商業作品から分析した所、必殺技の立ち位置は、主に以下の通りに分けられます。

 

 

美しい必殺技

⇒見た目の華やかさや流麗な身のこなしから繰り出される技

(例.朽木白哉「千本桜」、朽木ルキア「白霞罸」、カカシ「千鳥」等 )

 

破滅的な必殺技

⇒周囲のあらゆるものを巻き込むほどの破壊的な技

(例.山本元柳斎重國「流刃若火」、アルトリア・ペンドラゴン「エクスカリバー」等)

 

卑怯な必殺技

⇒毒、騙し討ち、暗殺など、非道徳的または非倫理的な技

(例.涅マユリ「金色疋殺地蔵」、大蛇丸「穢土転生」等)

 

テクニカルな必殺技

⇒直接ダメージを与えるというよりは戦い辛い状況に持ち込むなど間接的な技

(例.平子真子「逆様邪八宝塞」、奈良シカマル「影縫いの術」等)

 

ユニークな必殺技

⇒一般的にはマネし辛い使用者独自の能力・性質・気質などに基づいた固有の技

(例.ガアラ「砂の盾」「砂の鎧」、黄猿「八咫鏡」等)

 

身体変化の必殺技

⇒技を使用することで使用者の容姿・骨格・筋肉量などが変化する技

(例.トニー・トニー・チョッパー「脚力強化」「重量強化」等)

 

引用元『BLEACH』『NARUTO』『Fate』『ONE PIECE』

 

 

上記6つの分類法を使用すれば、必殺技の立ち位置について決めることができます。

必殺技の立ち位置が決まれば、他キャラクターとの区別も安易になるので、

ぜひ活用してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】「制限」が魅力的な必殺技を作る

商業作品から学ぶ必殺技の作り方・コツ

 

制限があると、必殺技は魅力的になります。

なぜなら、制限があることで「いつ技をつかうか」「どういう状況で技を使うか」

という強力な惹きを作ることができるためです。

 

この効果は、カリギュラ効果と呼ばれ、心理学的にも実証されています。

 

 

カリギュラ効果とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいう。

例えば、テレビ番組で、「ピー」などの効果音を付けて発言を聞こえなくしたり、

モザイク処理をかけて映像の一部を見えなくすることにより、

いっそう視聴者の興味をかき立てるなどである。

 

カリギュラ効果 - Wikipediaより引用

 

 

つまり、 制限があるからこそ、人はそれを乗り越えて先を覗き込みたくなります。

次の項目では、商業作品で実際に使用されている

「必殺技に課すことで面白くなる4つの禁」について紹介します。

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】必殺技に課すことで面白くなる4つの禁

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

商業作品では、必殺技に以下4つのいずれかの禁を課すことで、惹きを作っていました。 

 

 

回数的制限

⇒使用できる回数に制限がある

 

肉体的制限

⇒使用する度に肉体に極度の負荷が掛かってしまう

 

状況的制限

⇒いちど使用すると周囲に壊滅的な破壊をもたらしてしまうため、使用できる場所が限られてしまう

 

ール的制限

⇒禁忌・掟・ルールにより「その技は使うな」と言われている

 

 

 

例えば、『Fate』の衛宮切嗣は、時間操作の魔法を利用して、

2倍、3倍の速さで動けるようになる代わり、

加速度が上がる度に身体に極度の負荷が掛かります(回数的制限、肉体的制限)。

 

また、セイバーは、ひとたび宝具「エクスカリバー」を使用すると、

周囲に壊滅的な破壊をもらしてしまうため、

どんな場所でも使用できるという訳ではありません(状況的制限)。

 

 

このように、必殺技に禁を設けることで面白い状況を作ることができます。

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】必殺技に「弱点」を入れると物語が動く

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

弱点があることで、戦略が生まれ、戦略が生まれることで、物語が動き出します。

先ほど紹介した4つの禁は、必殺技に弱点を生じさせます。

例えば、『Fate』の衛宮切嗣の場合は、以下の弱点とそれを補うための戦略がありました。

 

 

 

▼弱点

・身体強化をできる回数に制限がある(回数的制限

・身体強化をする度に、身体に極度の負荷が掛かる(肉体的制限

 

▼戦略性

・使用できる回数に限りがあるため有効な場面で使用する必要がある

・戦いが長引くと不利になるためなるべく早く決着をつける必要がある

 

 

 

つまり、弱点があるからこそ、キャラクターは、その弱点を庇うように動き、

敵は、その弱点を狙って動くようになります。

これだけでもう物語になっていることが分かると思います。

 

このように、必殺技は、一撃必殺の技であると共に、

自身の身を危険に晒す諸刃の剣であった方が面白い物語を作りやすくなります。

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】決め台詞があると必殺技はより魅力的になる

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

必殺技の名を叫びながら技を繰り出す、それでもじゅうぶん魅力的な場面になります。

なぜなら、必殺技は、普段は目にすることのできない秘匿された技だからです

人は秘匿性(内緒話、秘密事etc)に惹かれ、その先を覗いて見たくなります。

 

しかし、この「先を知りたい」という好奇心を更に盛り上げる方法があります。

それが、決め台詞です。

 

漫画『BLEACH』では、以下のように、必殺技(卍解)の名を叫ぶ前に決め台詞を挟むことで、

「この先に何が起こるんだろう」と読者の期待感を高めていました。

 

 

 

日番谷冬獅郎霜天に坐せ『氷輪丸』」

能力解放と共に、触れたもの全てを凍らせる冷気と氷の竜を創り出す。

「霜天に坐せ」という台詞から、思わず座して震える程の冷気を表現しています。

 

山本元柳斎重國万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」

能力解放と共に、斬魄刀の周囲に巨大な炎柱を生む。その熱は、雲を消し、天をも焦がす。

「万象一切灰燼と為せ」という台詞から、周りのものを全て灰にする程の火力を表現しています。

 

朽木白夜散れ『千本桜』」

能力解放と共に、刀身から分裂した桜の葉のような無数の刃によって対象を斬り刻む。

「散れ」という台詞から、刀身が無数の刃になって散る様を表現しています。

 

市丸ギン射殺せ『神鎗』」

能力解放と共に、刀身が刀百本程度の長さになるよう瞬時に伸長する。

「射殺せ」という台詞から、その突きの鋭さを表現しています。

 

狛村左陣轟け『天譴』」

能力解放と共に、鎧兜を身に纏った巨大な明王を具現化して、規格外の極大な刃を用いて敵を両断する。

「轟け」という台詞から、その一撃の重たさを表現しています。

  

涅マユリ掻き毟れ『疋殺地蔵』」

能力解放と共に、イモ虫状の巨躯に赤子の頭、口から致死毒を撒き散らす巨大な化物を具現化する。

「掻き毟れ」という台詞から、思わず掻き毟り暴れてしまう毒々しさを表現しています。

 

参考資料『BLEACH』

 

 

 

このように、技を出す前に技について連想しやすい台詞を口にすることで、

読者の期待感をグっと高めることができます。 

 

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】必殺技後の台詞は印象に残りやすい

商業作品から学ぶカッコイイ必殺技の作り方・コツ

 

必殺技の後の台詞は、読者の目を引き付けた状態で言うため、印象に残りやすい傾向があります。

また、戦いを終えた後に口にする台詞は、

キャラクターの個性を色濃くアピールできる場面になります。

なぜなら、戦いの後は、喜び、悲しみ、虚しさといった飾りのない生の感情が出やすいからです。

  

Playstationゲームソフト『ヴァルキリープロファイル』では、

この必殺技後の台詞を活用して、キャラクターの個性を上手くアピールしていました。

 

レナス・ヴァルキュリア

その身に刻め

神技「ニーベルン・ヴァレスティ」

貴様に救いの道などない

 

アリューゼ

てめえの顔も見飽きたぜ

奥義「ファイナリティ・ブラスト」

わりと楽しかったぜ

 

エイミ

身体が熱い、力が目覚める

奥義「ドラゴンドレッド」

あっははは、快感

 

ブラムス

轟然たる我が魔力の胎動

奥義「ブラッディカリス」

さらばだ、脆弱なる者よ

 

『ヴァルキリープロファイル』より引用

 

このように、必殺技の台詞によって、

キャラクターの人生観、死生観、宗教観といった個性を表現することができます。

 

 

 

 

 

 

【必殺技の作り方】必殺技の作り方のコツまとめ

 

以下、最後におさらいです。

必殺技の作り方のコツは以下の通りでした。

 

①必殺技の立ち位置を決める

②必殺技に制限(弱点)があると物語が面白くなる

③決め台詞があると必殺技がより魅力的になる

④必殺技後の台詞は読者の印象に残りやすい

 

ぜひ有効活用してみて下さい!

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

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