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中世ダークファンタジー剣戟譚『LANCASTER《ランカスター》』連載中 © 2019 エンタメスタジオCre-eat

『荒木飛呂彦の漫画術』から学ぶキャラクターの作り方

『荒木飛呂彦の漫画術』から学ぶキャラクターの作り方

概要:本記事は『荒木飛呂彦の漫画術』より、キャラクターの作り方について学ぶ要約記事です。

 

 

 

 

こんにちは、綾崎あやめです。

ゲームデザイナーとして4年間ほどテキスト制作等の業務をしています。

 

 

人を惹きつける魅力的なキャラクター、作れていますか?

この記事を読んだ後は、あなたの物語のキャラクターは、

今よりももっと魅力的なキャラクターになります。

 

 

 

今回は、 大ヒット漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者の以下書籍より、

魅力的なキャラクターの作り方について解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

キャラクター作りのコツは「何をしたい人なのか」を決めること

 

キャラクターに重要なのは、「動機」です。

なぜなら、「なぜ行動するのか」について曖昧だと、読者は感情移入できないためです。

そのため、「なぜ行動するのか」について明瞭にする必要があります。 

 

 

例えば、『ドラゴンボール』の悟空の動機は、こんな感じです。

 

 

 

悟空の動機:どんどん強くなりたい

男の子なら誰しも一度は憧れるシンプルな願望。共感・理解しやすい

 

 

 

強くなりたいから戦う。動機がハッキリしていますね。

つまり、このキャラクターの性格の根っこは「強くなりたい人」だって分かります。

だから、読者は、戦いや修行に身を投じる悟空の姿に納得・共感できる訳です。 

 

 

 

 

 

「動機」がキャラクターを作る。じゃあ、よい動機とは

 

動機は、読者の興味や関心を得なければなりません。

つまり、よい動機とは、こんな感じです。

 

 

 

・この主人公は、一体どうなるんだろう

・何をする人なんだろう

気になって先を読みたくなるような動機こそ、よい動機

 

 

 

ターゲットとしている読者が少年誌の読者なら、

主人公の動機は、正義、友情といった倫理的に正しいものが好ましいです。

なぜなら、少年漫画の読者は、「正しいこと」への共感が強いためです。

 

 

しかし、この際、正しいことについてストレートに描くのはNGです。

偽善的で嫌らしい感じになるからです。

この偽善的な嫌らしさを回避するために、主人公の弱点、欠点、人間的な欲望も加えて下さい。

 

 

つまり、読者の興味関心を引く動機は、以下の通り。

 

 

身を守るため(地位や名誉、自分の心、思い出、スキャンダルのもみ消し、犯罪の証拠隠滅)

愛する人を守るため(家族、恋人、友人)

仕事、義務、愛国心

好奇心(漫画家の取材、コレクション、自分か何者か知りたいなど)

復讐(燃えたぎる復讐心は共感を呼ぶ)

欲望(金、恋、偉くなりたい)

生きる喜びのため(強くなりたい、ヒーローに会いたい)

荒木飛呂彦の漫画術』より引用

 

 

 

 

 

 

よい動機の条件は人間の基本的な欲望であること

 

動機は、人間が抱く基本的な欲望に由来するものがほとんどです。

といっても、読者の共感を得るためには、先述した通り、倫理観に則した動機が好ましいです。

 

例えば、こんな感じです。

 

 

 

大金が欲しいから泥棒をする×(共感され辛い)

誰かを助けるために大金が欲しい(共感される)

嫌なことをされたから復讐する×(共感され辛い)

法律では裁けない悪を倒すために復讐する(共感される)

 

 

 

遊ぶ金が欲しいからといって、銀行強盗をする主人公には共感できませんよね。

でも、妹の高額な治療費を稼ぐために、銀行強盗をする主人公ならどうでしょう。

 

倫理観から外れている一方、人を助けるという倫理観に則した動機になるため、

読者は、主人公に共感します。

 

 

動機は、基本的な欲望に由来するといえど、何をしてもいいという訳ではないです。

自分の欲望のために好き勝手する主人公は、やはり共感され辛いでしょう。

 

 

 

 

勇気こそ、共感されるキャラクターを作る

 

読者が最も共感するのは、何かに立ち向かっていく勇気です。

 

例えば、こんな感じです。

 

 

「子どもを助けるか、友達を助けるか」といった

いわゆる究極の選択を行わざるを得ない難局を、その主人公はどうやって乗り越えるか、

これなどは主人公が「勇気」を発揮するためには最高のシチュエーションです。

荒木飛呂彦の漫画術』より引用

 

 

勇気が重要という話は、『SAVE THE CAT 本当に売れる脚本術』の記事でも言っていましたね。

上の記事でいえば、負け犬の主人公が体制側や大企業に勝負を挑む物語がそれに当たります。

 

 

負け犬が圧倒的に強い存在に立ち向かって行くからこそ、

読者はその勇気に共感して応援したくなる訳です。

 

 

 

 

 

 

悪の魅力からキャラクターを作る方法

 

人間は、いつも清く正しいだけではなく、内側に醜い欲望を抱えています。

しかし、普段は、道徳、法律、世の中の決まり事などによって抑えられているため、

そうした醜い欲望が表に出ることはありません。

 

しかし、だからこそ、

 

 

 

読者は、ありのままの欲望を解放する悪のキャラクターのその姿に、

自分にはできないことを平然とやってのけるその行動に、カタルシスを感じる訳です。

 

 

 

 

 

 

ヒーローは孤独に戦う《主人公というキャラクターの作り方》

 

ヒーローの条件とは、すなわち、孤独であること。

 

究極の選択を迫られた時、その問題は、主人公だけが解決できなればなりません。

自分の力でその難題を解決しなければならない主人公の立場は、

どうしても孤独にならざるを得ません。

 

 

たとえ孤独であっても、大切なものを追い求める姿に、読者は、より共感する訳です。

 

 

 

 

 

 

途中でキャラクターの性格がブレないようにするために身上調査書を作ろう

 

キャラクターの身上調査書があれば、以下のような矛盾を防止できます。

 

 

最初は運動が苦手という設定だったのに、

戦っている間に急に機敏になってしまう

荒木飛呂彦の漫画術』より引用

 

 

漫画とかを読んでいて、「あれ、こんなキャラだったっけ……」って思ったことありませんか?

そういった矛盾があると、読者は萎えてしまいます。

 

 

そうした矛盾を防ぐために、キャラクターの身上調査書が有効になります。

 

 

 

 

 

 

キャラクターの身上調査書からキャラクターを作る

 

以下は、荒木飛呂彦さんが実際に使用しているキャラクターの身上調査書の内容です。

次の項目を埋める形でキャラクターの肉付けをしていきます。

  

  

▼キャラクターの身上調査書

 

① 姓名、略称

② 年齢

③ 性別

④ 生年月日

⑤ 星座

⑥ 血液型

⑦ 身長

⑧ 体重

⑨ 髪の色

⑩ 瞳の色

⑪ 視力、眼鏡の有無

⑫ 身体的特徴(鼻が高い、目がいいetc)

⑬ 人種

⑭ 宗教

⑮ 前科、賞、学歴

⑯ 幼児、少年期の精神的体験

⑰ セックス体験、恋人、その考え、結婚

⑱ 将来の夢

⑲ 恐怖

⑳ 口癖、くせ

㉑ 人間関係、態度

㉒ 家族関係、態度

㉓ トラブル関係

㉔ 職業学校

㉕ 経済状態

㉖ ペット

㉗ 性格(明るい、暗い、ユーモア、暴力的etc)

㉘ 特技、技、能力

㉙ 趣味、娯楽(音楽、創作、コレクションetc)

 

 

荒木飛呂彦の漫画術』より引用

 

 

 

この項目を埋めてみて下さい。

キャラクターに対する理解について今まで以上にグっと深まるはずです。

そうなれば、今まで以上にキャラクターを動かしやすくなります。

 

 

 

 

 

 

キャラクターを作る際は長所だけでなく短所も考える

 

キャラクターの身上調査書を使って、項目を埋めただけでは、

まだどこか浅いキャラクターになるかと思います。

 

立体感を出すためには、以下の部分に気をつけて下さい。

 

 

 長所ばかりではなく短所も考える

荒木飛呂彦の漫画術』より引用

 

 

強さや憧れる部分と同時に、その人物の弱さを描くことで、

キャラクターに立体感を作ることができます。

 

 

 

 

 

 

キャラクターを作る際は短所に悩み、それを克服しようとする努力を描く

 

キャラクターを作る際に最も大切な基本は、成長するように描くことです。

こうした努力を描写することで、人間としての成長を見せることができます。

 

 

これも『SAVE THE CAT 本当に売れる脚本術』の記事で話した内容と同じですね。

物語の基本は、主人公の変化前と変化後を見せることです。

つまり、キャラクターの成長という訳です。

 

 

キャラクターの作り方やコツなどのまとめ

 

重要な部分について簡単にまとめてみました。

 

 

 

キャラクターの作り方やコツなどのまとめ

 

・「動機」がキャラクターを作る

 

・「動機」とは、人間の基本的な欲望であること

 

・共感は、何かに立ち向かっていく勇気から生まれる

 

・ヒーローの条件は《孤独に戦うこと》

 

・悪の魅力からキャラクターを作る方法もある

 

・途中でキャラクターの性格がブレないようにするために身上調査書が有効

 

・キャラクターの人間らしさを出すために長所だけでなく短所も考えよう

 

・キャラクターは短所に悩み、それを克服しようと努力する⇒成長こそ物語の基本