概要:大塚英志『ストーリーメーカー』という本について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
当ブログは、現役ゲームクリエイターの視点から、 以下情報について発信するブログとなります。
・最新のエンタメ業界に関するニュース
・クリエイターのライフスタイル×ワークスタイル
『ストーリーメーカー』感想・要約①:物語の基本は「行って帰る」
物語の基本は、"非日常の世界に行って日常の世界に帰る"という構造から成り立っています。
例えば、以下の通りです。
◆『千と千尋の神隠し』の場合
神々の世界へ行く⇒日常の世界に帰る
◆『となりのトトロ』の場合
トトロの住む世界へ行く⇒日常の世界に帰る
◆『ソードアート・オンライン』の場合
ゲームの世界へ行く⇒日常の世界に帰る
このように、物語は基本的に「行って帰る」構造になっています。
マジョリー・フラック著『アンガスとあひる』では、「行って帰る」だけという最低限の構造から物語を構造しています。
あらすじは、以下の通りです。
アンガスという黒いスコッチテリアは、垣根の向こうに居るアヒルが気になるあまり、垣根をくぐり抜けて「向こう側」に行きます。
しかし、アヒルに追いかけられて、「こちら側」に逃げ帰って来てしまいます。
このように、「行って帰る」だけでも十分に物語として成立します。
最近で言えば、ライトノベルにてよく使われる「ある日、目覚めたら、そこは異世界だった」という構造は、典型的な「行って帰る」構造になっています。
『ストーリーメーカー』感想・要約②:物語を構成するために必要な12の要素
「ライオン・キング」等の有名作品の開発に参加したストーリーコンサルタントのクリストファー・ホグラーは、物語を構成するために必要な12の要素についてまとめました。
物語の構成要素は、以下の通りです。
① 日常の世界
⇒主人公の過ごす日常の世界
② 冒険への誘い
⇒主人公は、非日常の世界に誘われる
③ 冒険への拒絶
⇒主人公は、非日常の世界へ行くことを拒む
④ 賢者との出会い
⇒主人公は、非日常の世界にて、力を貸してくれる人と出会う
⑤ 第一関門突破
⇒主人公は、協力者の力を借りて、最初の困難を乗り越える
⑥ 仲間、敵対者、テスト
⇒主人公は、仲間、敵、試練に出会う
⑦ 最も危険な場所への接近
⇒主人公は、その世界で最も危険な場所へ向かう
⑧ 最大の試練
⇒主人公は、その最も危険な場所にて、自分の力を試される
⑨ 報酬
⇒主人公は、試練を乗り越えた結果、何か報酬を得る
⑩ 帰路
⇒主人公は、報酬を持って、帰路につく
⑪ 再生
⇒帰路に向かう主人公は、今までとは違う成長した自分になる
⑫ 帰還
⇒主人公は、再び日常の世界へ帰る
基本的には、上記12の構造に沿って組み立てれば、物語に大きな破綻は生じないかと思います。
実際、僕もライトノベルを制作する際は、上記構造を意識しています。
物語の基本構造は、以上となります。
ダークファンタジー小説「LANCASTER《ランカスター》」
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