概要:『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』を参考にしながら物語の作り方について紹介!
今回の参考書籍
▼本書の特徴
・物語の作り方ついてハリウッド式脚本術に沿って学べる
・物語の作り方について体系的に学べる
- 今回の参考書籍
- 『SAVE THE CATの法則』から学ぶ物語の作り方:ターゲットと作品の雰囲気を決める
- 目あたらしい物語は既存のジャンルからひねって作る
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン①~:家の中のモンスター
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン②~:金の羊毛
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン③~:魔法のランプ
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン④~:難題に直面した平凡なヤツ
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑤~:人生の節目
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑥~:バディとの友情
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑦~:なぜ、やったのか?
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑧~:バカの勝利
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑨~:組織の中で
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑩~:スーパーヒーロー
- 物語の原型一覧~物語のオチ パターン~:まとめ
- 創作に役立つ記事一覧
『SAVE THE CATの法則』から学ぶ物語の作り方:ターゲットと作品の雰囲気を決める
物語を作るにあたって以下2点について決める必要があります。
- その物語のターゲットは誰か
- ターゲットにふさわしい物語になっているか
なぜなら、ターゲットを不明瞭なまま物語を書くと、読者の直帰率が高まるためです。
例えるなら、ラーメンを食べたくて店に入って来た客に寿司を出すようなもの。
そこで定着率を上げるためには、以下のように《ターゲット》と《作品の雰囲気》を決める必要があります。
ターゲット:『ベルセルク』『クレイモア』などダークファンタジーを好きな人
作品の雰囲気:理不尽な暴力、絶えない争いによって無慈悲に命が奪われる世界
このように、継続して読まれる物語にするためには、《ターゲット》と《作品の雰囲気》のマッチが重要になります。
あなたの作品を読む人は、誰ですか? その人の読みたい内容になっていますか? ぜひ、この質問に答えられるにしてみて下さい。
それでは、次の項目からは、実際に物語の作り方について学んでいきます。
目あたらしい物語は既存のジャンルからひねって作る
物語の作り方のコツは、既存のジャンルから少しだけひねって目新しい物語にすることです。
例えば、「勇者が魔王を倒す」という勧善懲悪のジャンルを少しひねって、「魔王が勇者を倒す」という勧悪懲善の物語にするといった感じです。
この創作方法のメリットは、以下の通り。
- 世間一般的にヒットしているジャンルからひねって作るので、比較的ウケやすい
- ひねって作るので物語を作りやすい
とはいえ、物語にどんなジャンルがあるかを知らないとひねることもできません。
次の項目では、世界の物語に共通する10種の古典的ジャンルについて紹介します。
ぜひ、この10種のジャンルからひねって、あなただけの物語を作ってみて下さい。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン①~:家の中のモンスター
家の中のモンスターとは、逃げ場のない空間で化物に追われる物語のこと。
作品で言えば、『ジュラシックパーク』『13日の金曜日』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・主人公は、化物(人、物、モンスターetc)に追われる
・舞台は、逃げ場のない狭い空間(家、遊園地、ビルetc)
最近ヒットした映画では、『ドント・ブリーズ』がこのジャンルをひねって作っていました。
物語の概要は、以下の通りです。
- 地下室に大金を隠していると噂される盲目の老人宅に泥棒が入る
- しかし、老人は、目が見えないゆえに発達した聴覚を有する元軍人だった
- 泥棒たちは、暗闇の中で老人に追い詰められていく
ここでは、 盲目の老人を化物にすることで目新しさを出していました。また、閉ざされた暗い家が舞台というのも斬新でした。
このように、「舞台設定」と「モンスター設定」をひねることで目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン②~:金の羊毛
金の羊毛とは、何かを求めて旅に出る物語のこと。
作品で言えば、『千と千尋の神隠し』『ロードオブザリング』『ワンピース』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・主人公は、旅の途中、様々な人に出会い、色々なことを経験する
・主人公は、その経験を経て、前までとは違う成長した自分になる
『千と千尋の神隠し』では、千尋は豚になってしまった両親を助けるため、冒険に出ます。
そして、ハク、リン、窯爺などの協力を得ながら旅をすることで、最終的に今までの自分とは違う成長した自分になりました。
このように、「どんな仲間に出会い、どういう経験をして、どう変わっていくのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
尚、魅力的なキャラクターの作り方については、以下記事を見てください。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン③~:魔法のランプ
魔法のランプとは、願いや夢を叶える物語のこと。
作品で言えば、『シンデレラ』『アラジンと魔法のランプ』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・主人公の願いは、一時的かもしれないが、一度は叶う
・願いが叶うことによって、主人公の人生は一変する
『シンデレラ』では、城の舞踏会に行きたいと願うシンデレラは、魔法の力によって願いを叶え、舞踏会に参加することができました。
このように、「どんな願いがどう叶うのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン④~:難題に直面した平凡なヤツ
難題に直面した平凡なヤツとは、どこにでもいそうな平凡なヤツがとんでもない状況に巻き込まれる物語のこと。
作品で言えば、『ダイハード』『ターミネータ』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・主人公は観客と同じ普通の人間であること(会社員、学生etc)
・そんな普通の人間が勇気を振り絞って、問題解決に向かう
『ダイハード』では、どこにでもいるような普通のおっさんが勇気を振り絞ってテロリストに立ち向かいます。
このように、「どんな主人公がどんな困難に立ち向かうのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑤~:人生の節目
人生の節目とは、愛する者の死、失恋など人生の節目となる経験を描いた物語のこと。
作品で言えば、『インターンシップ』『17again』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・主人公は、辛い経験をくぐり抜けて、初めて解決策を見い出す
『17again』では、仕事も家庭も上手くいかないサラリーマンのおっさんが再び17歳に戻って、今度こそ最高の人生にするため、奮起します。
このように、「どんな辛い経験を経て、そこからどうするのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑥~:バディとの友情
バディとの友情とは、主人公と相棒の二人によって進む物語のこと。
作品で言えば、『ラッシュアワー』『ファインディング・ニモ』『E.T』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・相棒は、当初、互いに嫌い合う
・しかし、旅をしていく中で、互いに相手の存在が必要になりつつあることに気づく
・最終的に、二人そろって初めて一つの存在であることを知る
『ラッシュアワー』では、生真面目な主人公リー警部は、ある捜査を進めるために、
陽気なカーター刑事と相棒を組むことになる。
しかし、性格の異なる二人は、当初、互いに嫌い合う。だが、捜査を進めるにつれ、互いに必要な存在であることに気づきます。
このように、「どんなバディとどんなことをするか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑦~:なぜ、やったのか?
なぜ、やったのか?とは、「主人公は、なぜ、そんなことをやったのか」について描いた物語のこと。
作品で言えば、『チャイナタウン』『ミスティックリバー』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・人間の心の奥底を探ることで、予想もしなかった暗く醜いものが暴かれる
・真相を突き止めるのは、観客自身
『ミスティックリバー』では、ある殺人事件をキッカケに、なぜ、そんな犯行に及んだのか、犯行の背景などを描くことで、人間の暗く醜い部分を曝け出していました。
このように、「なぜ、それをやったのか。その背景にはどんな過去があったのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑧~:バカの勝利
バカの勝利とは、一見すると負け犬に見える主人公が強大な組織に勝利する物語のこと。
作品で言えば、『カイジ 人生逆転ゲーム』『フォレスト・ガンプ』等。
このジャンルの特徴は以下の通り。
・主人公は、誰からも期待されていない劣った人物
・主人公は、自分や仲間を苦しめる巨大な組織に立ち向かう
『カイジ 人生逆転ゲーム』では、大量の借金を抱えた伊藤カイジが人生逆転を目指して、豪華客船エスポワール号にて行われるギャンブルに参加する。
しかし、そのギャンブルは、命を賭けた危険なものだった。
カイジは、この非道なギャンブルを主催する巨大な組織《帝愛グループ》に立ち向かう。
このように、「どんな弱い人物が強い相手にどうやって勝つか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑨~:組織の中で
組織の中でとは、集団、組織、施設、家族に関する物語のこと。
作品で言えば、『半沢直樹』『アメリカン・ギャングスター』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・物語は、新しく組織に入ってきた人物(新人)の視点から語られることが多い
・組織内の掟やしきたりが明確になる一方、じょじょに組織のイカれた実態が暴かれる
・主人公は、集団の中で、組織の在り方や生き方について葛藤する
このように、「どんな組織でどう生きていくのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン⑩~:スーパーヒーロー
スーパーヒーローとは、超人的な能力を有する主人公の活躍を描いた物語のこと。
作品で言えば、『スパイダーマン』『X-Men』等。
このジャンルの特徴は、以下の通り。
・超人的な能力を有する一方、平凡な状況に置かれている
・その特殊な力ゆえ、周囲の人からは理解されない
・特別の存在であることの辛さや悩みを持っている
このように、「どんな超人的な能力を持っているのか、それに伴い、どんな悩みがあるのか」をひねることで、目新しい物語を作ることができます。
尚、悪役の作り方については、以下記事を見てください。
物語の原型一覧~物語のオチ パターン~:まとめ
以下おさらいです。下記古典的ジャンルをひねって目新しい物語を作ってみましょう!
物語 ジャンル1:家の中のモンスター
逃げられない狭い場所で化物から逃げる物語
物語 ジャンル2:金の羊毛
何かを求めて旅に出る物語
物語 ジャンル3:魔法のランプ
願いや夢を叶える物語
物語 ジャンル4:難題に直面した平凡なヤツ
平凡なヤツがとんでもない状況に巻き込まれる物語
物語 ジャンル5:人生の節目
愛する者の死、失恋など人生の節目となる経験を描いた物語
物語 ジャンル6:バディとの友情
主人公と相棒の物語
物語 ジャンル7:なぜ、やったのか?
「なぜ、そんなことをやったのか」について描いた物語
物語 ジャンル8:バカの勝利
一見すると負け犬に見える主人公が強大な敵に打ち勝つ物語
物語 ジャンル9:組織の中で
集団、組織、施設、家族に関する物語
物語 ジャンル10:スーパーヒーロー
超人的な能力を有する主人公の活躍と苦悩を描いた物語
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▼本書の特徴
・物語の作り方ついてハリウッド式脚本術に沿って学べる
・物語の作り方について体系的に学べる