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『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」から学ぶ物語の作り方【後編】

概要:米Amazon脚本術部門で売上No.1のベストセラー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から物語の作り方について学ぶ記事【後編】となります。

※記事公開日2019年10月5日(記事更新日2020年1月9日)

 

 

こんにちは、綾崎あやめです。

ゲームデザイナーとして4年間ほどテキスト制作等の業務をしています。

 

 

あなたの物語は、読者を惹きつけられる物語になっていますか。

この記事を読んだ後は、あなたの物語は今より面白い物語になるはず……!?  

 

※【前編】の記事は以下の通り


尚、本の中身について気になる方は、以下動画をご覧ください。

概要を紹介しています。

 

 

 

 

 

面白い物語を作るために必要となる15の要素

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

ハリウッドで最も成功した脚本家ブレイク・スナイダーは、

面白い物語を構成するための要素について以下15種類にまとめました。

 

 

 

物語を作るための要素1:オープニング・イメージ

物語を作るための要素2:テーマの提示

物語を作るための要素3:セットアップ

物語を作るための要素4:きっかけ

物語を作るための要素5:悩みのとき

物語を作るための要素6:第一ターニング・ポイント

物語を作るための要素7:サブプロット

物語を作るための要素8:お楽しみ

物語を作るための要素9:ミッド・ポイント

物語を作るための要素10:迫りくる悪い奴ら

物語を作るための要素11:すべてを失って

物語を作るための要素12:心の暗闇

物語を作るための要素13:第二ターニング・ポイント

物語を作るための要素14:フィナーレ

物語を作るための要素15:ファイナルイメージ

 

 SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』より引用

 

 

それでは、それぞれの要素について以下個別具体的に説明していきます。

 

 

 

 

 

物語を作るための要素1:オープニング・イメージ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

オープニング・イメージとは

・主人公の出発地点や主人公の《変化前》を見せる場面のこと

 

つまり、この場面では、観客に対して、これから一緒に旅をする主人公の《変化前》を見せます。

平たく言えば、どんな主人公であるかを紹介する場面となります。

例えば、『千と千尋の神隠し』のオープニング・イメージは、以下の通りでした。

   

 

 

出発地点:現代

変化前の主人公:転向先となる新しい学校に興味ないと愚痴をこぼす少女

 

 

 

ここでは、千尋は、新しい環境に飛び込まなければならない状態にいることが分かります。

しかし、千尋は、新しい環境に飛び込みたくない、と自己変容・成長を恐れます。

つまり、大人として成長しきれない少女が主人公であることを説明しています。

 

このように、オープニング・イメージでは、主人公の《変化前》を見せます。

 

 

 

■物語の基本とは

 

ストーリーメーカー 創作のための物語論によれば、

物語の基本は、何かが欠けている主人公がその欠けた何かを探す

つまり、欠如⇒回復という構造こそ、物語の基本になるということです。

 

例えば、千尋は、大人になるために必要な自立心・行動力が欠けています。

だからこそ、その欠けたものを探すために、トンネルを抜けて旅に出る訳です。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素2:テーマの提示

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

テーマとは

・その物語で伝えたい主張のこと

 

例えば、以下の通りです。

 

こんな人生ってどう思う?

こんな行動、夢、目標には価値があるだろうか?

組織で優先されるべきは個人だろうか、組織だろうか?

 

 

このように、テーマとは、見た人にどんなことを伝えたいのかという主張になります。

 

尚、ブレイク・スナイダーによれば、優れた脚本は、冒頭から5分以内に、

登場人物の誰かが問題を提起したりテーマに関連したことを口にしたり等します。

(「よく考えて行動しなさい」とか「奢れるものは久しからず」とか)

 

 

『千と千尋の神隠し』の冒頭では、以下のようなテーマの提示をしていました。

 

 

ここを支配している魔女だ。

嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。

辛くても、耐えて機会を待つんだよ。

 

『千と千尋の神隠し』のハクの台詞より引用

 

 

つまり、大人になるためには我慢も必要だ、ということを言っています。

この世界では、もう今までの弱音は通じません。

千尋は、大人として成長するために試されることになります。

 

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素3:セットアップ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

セットアップとは

・読み手が関心を持つか失くすかの境目となる場面のこと

 

つまり、読者の興味関心を引かせる場面となります。

尚、ブレイク・スナイダーによれば、読者に興味関心を持たせるためには、

主人公に欠けているものをしっかり見せる必要があります。

 

 

つまり、先ほど『ストーリーメーカー 創作のための物語論』で説明した通り、

ここでは、物語の基本(欠如⇒回復)の欠如の部分について提示する必要があります。

 

 

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のように千尋の欠如を提示していました。

 

 

 大人になるために必要な自立心・行動力の欠如

(両親がいなくて不安になって泣いてしまったり新しい環境に飛び込むことを恐れたり等) 

 

 

 

このように、主人公の欠けたものについてしっかり見せることで、

読者の興味関心を引くことができます。

 

この主人公は、いったい、なぜ、こういう性格なってしまったんだろうとか。

この主人公は、これからどういうふうに変わっていくんだろうかとか。

欠けているからこそ、その先が知りたくなります。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素4:きっかけ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

きっかけとは

・人生を変えるような場面のこと

 

つまり、ここでは、主人公は、今までの日常を変えてくれるような人物・出来事に出会います。

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のようにしてきっかけを作っていました。

 

 

 

・千尋は、あちら側の世界の橋渡し役となるハクに出会う

・千尋は、 ハクに出会うことで、油屋の世界で働くことになる

 

 

 

このように、きっかけのフェーズでは、

主人公は、それまでの日常を大きく変えてくれる人、物、出来事に出会います。

 

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素5:悩みのとき

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

悩みのときとは

・主人公が何かしらの疑問を抱く場面のこと

 

つまり、ここでは、主人公は、目の前に起きた事などに対して疑問に思います。

例えば、 『千と千尋の神隠し』では、以下のように、悩みのときを描いていました。

 

 

 

・千尋は、橋を前にして、あちら側の世界に行くことを躊躇して立ち止まる

・なぜなら、新しい環境に飛び込むことが怖いから

・しかし、千尋は、この悩みの時を経て、遂に橋を渡って、あちら側の世界に踏み出す

 

 

 

尚、主人公に共感して貰えるかどうかは、この悩みのときが重要になります。

なぜなら、私たちもまた主人公と同じように色々な悩みを持っているからです。

 

例えば、好きな人がいるけど、想いを伝えられないとか。

就職の時にいったい自分は何をしたいんだろうと悩んだりとか。

 

このように、僕たち私たちは、主人公と同じような悩みを持っているからこそ、

同じような悩みを抱えながらも前進しようとする主人公の姿に共感する訳です。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素6:第一ターニングポイント

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

第一ターニング・ポイントとは

・古い世界を出て、正反対の世界に進む場面のこと

 

つまり、主人公は、もう、日常の世界にはいられなくなります。

例えば、 千尋は、今までの現実世界から離れて、湯婆婆の下で働くことになります。

 

尚、ここで重要なことは、以下の通りです。

 

 

 

主人公は、自らの意志で出発しなければなりません。

たとえ、人に背中を押されるような形であったとしても、

最終的に「出発する」ということを決めるのは、主人公でなければなりません。

なぜなら、共感は、自らの意志と行動からのみ生まれるからです。

 

 

 

千尋は、この悩みのときを経て、最終的に自分の意志で、あちら側の世界に行きます。

 

このように、第一ターニング・ポイントのフェーズでは、

主人公は、自分の意志によって、日常の世界に別れを告げ、非日常の世界へ踏み出します。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素7:サブプロット

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

サブプロットとは

・ちょっとした息抜きとなる場面のこと

 

つまり、第一ターニング・ポイントの後の衝撃を和らげるための場面転換となる部分になります。

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のようにサブプロットを提示していました。

 

 

 

千尋は、最初の試練となる「湯婆婆との出会い」という緊張する場面を経た後、

それまでの緊迫した内容とは打って変わって、

リン、番台蛙など湯所で働く人たちとの交流を描いた緩い場面に転換します。

 

 

 

このように、息抜きとなる場面を用意することで、読者は一息をつくことができます。

そして、次の重要となる物語に向けてゆっくり準備できるようになります。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素8:お楽しみ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

お楽しみとは

・読者に対するお約束を果たす場面のこと

 

つまり、読者がいちばん見たがっていた場面となります。

ここでは、ポスターや予告編で使っていた一番おいしい部分を見せます。

読者は、物語の進展以上に、このお楽しみを期待しています。

 

 

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のようにお楽しみを提示していました。

 

 

・坊の部屋に入ってしまった千尋は、坊に見つかり、捕まってしまう

・坊は「遊んでくれないと泣いちゃうぞ」「泣いたらすぐに婆が来るぞ」と脅しを掛ける

・しかし、銭婆がどこからともなく現れて、魔法で坊をネズミに変えてしまう

・千尋は、結果として、まんまと意地悪な湯婆婆と坊を出し抜く

  

 

 

この意地悪な湯婆婆や坊を出し抜く部分こそ、お楽しみになります。

抑圧からの解放、すなわちカタルシスを得る部分がお楽しみとなります。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素9:ミッドポイント

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

ミッドポイントとは

・主人公が一時的に絶好調(絶不調)になる場面のこと

 

ここで重要なのは、どちらも見せかけの絶好調(絶不調)になるという点です。

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のようにミッドポイントを提示していました。

 

 

 

・千尋がカオナシを招いてしまったせいで、暴走したカオナシに油屋が壊されてしまう

・そのうえ、千尋は、仕事を捨て、銭婆の所へ行ってしまう

・湯婆婆は、怒り狂い、豚になった千尋の両親を「ベーコンにしてしまえ」と言い放つ

 

 

 

まさに千尋にとって大ピンチの場面となります。

しかし、実際は、千尋はピンチの状態にはありません。

むしろ千尋は、銭婆と会うことで、命の恩人であるハクを助けることができます。

  

このように、いちど見せかけの絶好調(絶不調)を見せることで、

山場に向けて緩急を作ることができます。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素10:迫りくる悪いヤツ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

迫りくる悪いヤツとは

・絶好調に見える主人公に対して、敵側が総攻撃をしようとする場面のこと

 

例えば、湯婆婆は、千尋の目の前に豚を並べて、こう言い放ちます。

 

 

この中からおまえのお父さんとお母さんを見つけな。

チャンスは一回だ。ピタリと当てられたらおまえたちゃ自由だよ

 

 

千尋は、こうして湯婆婆から最後の試練を課されます。

このように、ここでは、絶好調に見える主人公に対して、敵側が最後の攻撃を加えてきます

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素11:すべてを失って

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

すべてを失ってとは

・死の気配を見せる場面のこと

 

つまり、ここでは、主人公は選択を間違えれば、死ぬかもしれない。

勝負に負ければ、命を失うかもしれない、といった場面となります。

 

例えば、千尋の場合は、目の前に並べられた豚の中から一発で親を見つけられないと、

親も助けられず、自身もまたこの世界に囚われてしまいます。

 

 

 

 

 

  

物語を作るための要素12:心の暗闇

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

心の暗闇とは

死の瞬間に対して主人公が心の暗闇の中で答えを模索する場面のこと

 

この場面では、主人公は、深く考え、心の奥底を探ります。

そして、自分や仲間を救うための最善策を考えます。

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のように心の暗闇を描いていました。

 

 

千尋は、目の前に並べられた豚を一瞥します

千尋は、一瞬の間を置いて、自分の心に問いかけます

 

 

このように、主人公は、この心の暗闇を通じて、状況を打破するための解決策を模索します。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素13:第二ターニング・ポイント

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

第二ターニング・ポイントとは

・問題に対する解決策を見つける場面のこと

 

例えば、千尋は、並べられた豚を目の前にして、このように解決策を提示します。

 

 おばあちゃんだめ、ここにはお父さんもお母さんもいないもん

 

 湯婆婆は、この千尋の答えに対して、このように問いかけます。

 

 

いない!?それがおまえの答えかい?

 

 

千尋は、この最後の問いにハッキリと自信を持って、こう答えます。

 

 ………うん!

 

 

 

このように、千尋は、第二ターニング・ポイントを通じて、解決策を見つけ出します。

そして、千尋たちは、遂に自由を獲得します。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素14:フィナーレ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

フィナーレとは

全てのまとめとなる場面のこと

 

ここでは、主人公は、教訓を学び、直すべき所が直り、勝利して終わります。

例えば、『千と千尋の神隠し』では、以下のようにフィナーレを提示していました。

 

 

 

教訓:自立して行動することの大切さ

主人公の直すべき所:大人になるために必要な自立心・行動力がない

勝利:大人としての自立心・行動力を身に着けて現実世界へ帰る

 

 

 

こうして物語は収束します。

 

 

 

 

 

 

物語を作るための要素15:ファイナルイメージ

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から学ぶ物語の作り方【後編】

 

ファイナルイメージとは

・本物の変化が起きたことを見せる場面のこと

 

例えば、『千と千尋の神隠し』では、

最後のカットにて、少しだけ成長して前より大人っぽくなった千尋の顔を映して終わります。

 

 

  

 

 

 

『Save The Cat』から学ぶ物語の作り方のまとめ

 

長々と書いたので、最後にまとめです。

面白い物語を作るためには、以下15の要素がありました。 

 

 

 

物語を作るための要素1:オープニング・イメージ

物語を作るための要素2:テーマの提示

物語を作るための要素3:セットアップ

物語を作るための要素4:きっかけ

物語を作るための要素5:悩みのとき

物語を作るための要素6:第一ターニング・ポイント

物語を作るための要素7:サブプロット

物語を作るための要素8:お楽しみ

物語を作るための要素9:ミッド・ポイント

物語を作るための要素10:迫りくる悪い奴ら

物語を作るための要素11:すべてを失って

物語を作るための要素12:心の暗闇

物語を作るための要素13:第二ターニング・ポイント

物語を作るための要素14:フィナーレ

物語を作るための要素15:ファイナルイメージ

 

 

 

この法則を使えば、今まで以上に物語を作りやすくなるはずです!

ぜひ、あなたの創作に活かしてみて下さい!

 

尚、 物語の作り方について更に知りたい方は、以下記事も読んでみて下さい。

 

 

 

 

 

 

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