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本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味

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『ハリウッド脚本術』から学ぶ物語の作り方・コツ

概要:『ハリウッド脚本術』から「物語の作り方・コツ」について紹介!

 

 

プロフィール:わたなべ りょう 

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▼略歴
・明治大学政治経済学部卒

・株式会社カプコンに4年半勤務

・ゲームプランナー/アクションプランナー

・フリーランスとして独立

・特技は「テコンドー」「カポエイラ」

 

▼制作実績

・モンスターハンター ライズ

・モンスターハンター エクスプロア

・小説「LANCASTER《ランカスター》」

 

当ブログは、現役ゲームクリエイターの視点から、 以下情報について発信するブログとなります。

 

・最新のエンタメ業界に関するニュース

・クリエイターのライフスタイル×ワークスタイル

 

 

物語の作り方について興味のある方は、以下書籍を見てみてください。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味①:物語の本質は「葛藤」を描くこと

 

物語は「葛藤」です。

 

葛藤は、ほかの誰かとの対立から生じます。対立する相手は、目に見える敵だけではなく、自分自身の場合もあります。

 

重要なのは、この対立によって、主人公に重要な変化がもたらされるということ

 

つまり、主人公は、対立から生じる葛藤を通じて、前とは違った自分に成長します

 

例えば、以下の通りです。

 

 

  1. 逃げてばかりの臆病な勇者が恐ろしい魔王に立ち向かう
  2. 魔王との戦いを通じて「勇気」を身に付ける

 

このように、物語とは、対立から生じる葛藤を経て、今までの自分とは違う成長した自分を見せるものとなります

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味②:物語は三幕構成から成る

 

物語の大枠は、以下の三幕構成から成ります。

 

第一幕:問題

 

第一幕では、主人公や主人公を取り巻く環境に問題があることを提示します。

 

観客は「この問題をどう解決するのか」に興味を持ちます。

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 魔王によって滅亡の危機にある世界
  2. 返済しきれない大量の借金を抱える主人公

 

このように、第一幕では、主人公や主人公を取り巻く環境が抱える問題を提示します。

 

 

第二幕:恐怖

 

第二幕では、主人公は「内的な恐怖」に向き合います

 

内的な恐怖とは、成長・変化することに対する怖さのこと。

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 逃げてばかりの臆病な勇者が恐ろしい魔王に戦いを挑む
  2. 勝てば億万長者、負ければ死ぬ、一発逆転のギャンブルに挑む

 

このように、第二幕では、変化・成長することに対する怖さに向き合いつつ、目的に向かう主人公の姿を見せます。

 

 

第三幕:解決

 

第三幕では、主人公は「内的な恐怖」を克服して「問題」を解決します。これにより、今までとは違う成長した自分に変わります

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 臆病な勇者が恐ろしい魔王を倒して「勇気」を身に付ける
  2. 死の恐怖を乗り越え、一発逆転の賭博に勝ち、「億万長者」になる

 

このように、第三幕では、問題を解決して成長した主人公の姿を見せます。観客は、成長した主人公の姿を見て、満足します。

 

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味③:バックストーリー

 

バックストーリーとは、変化前の主人公を見せる場面のこと

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 異世界に行く前の現実世界での日常生活
  2. 空から女の子が降ってくる前の日常生活
  3. 化物や魔法使いと出会う前の日常生活

 

このように、バックストーリーとは、キッカケとなる出来事が起こる前の日常のことです。

 

尚、バックストーリーは、必ずしも描く必要はないです。なぜなら、詳細な説明は、時に物語の勢いを失わせる可能性があるため。

 

最初から異世界での生活から始まっても問題はありません。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味④:内的な欲求

 

内的な欲求とは、欠けている個人の特質・性質を取り戻そうとする欲求のこと

 

すなわち、自分には足りない自立心、行動力、勇気などを取り戻そうする気持ちです。

 

主人公は、無自覚または強制的に、この自分に欠けているものを取り戻そうとします。

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 異世界に行く前は「無気力」で「自堕落」だった主人公。
  2. 異世界に行くことで、「自発的」に「行動」を求められるようになる。

  

このように、自己の欠如⇒自己の回復の構造が内的な欲求となります。

 

多くの主人公は、何かが欠けていて、それを補うために行動をします。

 

  

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑤:キッカケとなる事件

 

キッカケとなる事件では、主人公の前に「解決すべき問題・課題」が現れます

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 現実世界から異世界に行ってしまう
  2. 空から女の子が降ってくる
  3. 化物や魔法使いと出会ってしまう

 

主人公は、このキッカケとなる事件を無視して生活をしようとしても、それはできません。

 

なぜなら、主人公の人生は、ここで大きく変わらざるをえないためです。

 

主人公は、必ず、この問題に向き合わなければなりません。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑥:主人公の目的

 

主人公の目的とは、キッカケとなる事件を通じて、目的を定める場面のこと

 

つまり、問題を解決するための解決策を出します。 

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. ある日、気がつくと、見知らぬ異世界にいた。
  2. 再び現実世界に戻ることを決意する。

  

このように、主人公は、キッカケとなる事件を通じて、目的を定めます

 

主人公は、この目的を達成するために行動します。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑦:準備

 

準備とは、目的を達成するための戦略を練る場面のこと

 

例えば、以下の通りです。

 

  • 異世界から現実世界に帰るために町人等から情報収集をする

 

このように、主人公は、目的を達成するための準備をします

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑧:対立

 

対立とは、敵対勢力と対立する場面のこと

 

対立は、緊張感や期待を生み、物語を面白くします。

 

例えば、以下の通りです。

 

  1. 異世界から現実世界に戻ろうとする主人公。
  2. しかし、異世界の大きな争いに巻き込まれていく。

 

このように、主人公の目的は、簡単には達成できません

 

なぜなら、簡単に達成できてしまうと、つまらないためです。

 

そのため、こうした邪魔や障害を必ず発生させる必要があります。 

 

尚、敵対者は、主人公より強い存在でなければなりません。なぜなら、簡単に倒せてしまうと、対立にならないためです。

 

よい敵対者とは、以下の通りとなります。

 

・主人公とは相容れない目的を持つ

・主人公よりも肉体的組織的に強い存在である

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑨:自分をハッキリと示す

 

自分をハッキリと示すとは、内的な欲求に本格的に取り組む場面のこと

 

つまり、主人公は、対立を通じて、今まで自分に欠けていた「勇気」「自立心」などを取り戻そうとします。

 

例えば、以下の通りです。

 

  • 現実世界から異世界に来てしまった主人公は、異世界の大きな争いに巻き込まれることで、現実世界では見せなかった「勇気」「行動」を見せ始めます

 

このように、主人公は、対立を通じて、自分に足りないものを取り戻そうとする試みを行っていきます

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑩:オブセッション

 

オブセッションとは、目的を遂に果たそうとする場面のこと

 

つまり、主人公は、自分の願いや目的をようやく達成しようとします。

 

例えば、以下の通りです。

 

  • 異世界から現実世界に帰れる方法を知った主人公は遂に、現実世界に帰れるというゲートの下へ向かう。

 

このように、主人公は、当初定めていた目的をようやく達成しようとします

 

しかし、そう簡単には、この目的は達成できません。

 

なぜなら、最後の山場として、最終決戦が控えているためです。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑪:闘争

 

闘争とは、主人公と敵対者との最終決戦の場面のこと。敵は、全力で主人公の目的を阻止しようとします。

 

例えば、以下の通りです。

 

  • 異世界の一部住人は、主人公が現実世界に戻ることで、この異世界の存在をほかにも知られてしまうことを恐れ、主人公がゲートを使って帰ることを全力で邪魔する

 

このように、闘争では、まさしく生死を賭けて戦います。

 

この負けた際の代償が大きくなればなるほど、盛り上がりも大きくなります

 

  

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味⑫:解決

 

解決とは、主人公の葛藤を解決する場面のこと

 

つまり、主人公は目的を果たし、もう悩みのない状態になります。

 

例えば、以下の通りです。

 

  • 現実世界から異世界に来てしまった主人公は、敵との最終決戦に勝ち、ようやくゲートを使って、現実世界へ戻る。

 

このように、主人公は、目的を果たし、抱えていた葛藤を解決します

 

ここで重要なのは、主人公はもう過去の自分ではないということです。

 

すなわち、今まで欠けていた勇気や行動力等を取り戻して、成長した状態になります。

 

観客は、この成長した主人公の姿を見て、満足して、物語は終わります。

 

 

本『ハリウッド脚本術』から学ぶ小説の書き方・意味:まとめ

 

それでは、以下おさらいです。ぜひ覚えて使ってみて下さい。 

 

 

物語の作り方1.バックストーリー

変化前の主人公を見せる場面のこと

 

物語の作り方2.内的な欲求

欠けている個人的特質を取り戻そうとする欲求のこと

 

物語の作り方3.キッカケとなる事件

解決すべき問題や課題が現れる場面のこと

 

物語の作り方4.主人公の目的

キッカケとなる事件を通じて目的を設定する場面のこと

 

物語の作り方5.準備

目的を達成するための準備をする場面のこと

 

物語の作り方6.対立

主人公の目的を邪魔する敵が出現する場面のこと

 

物語の作り方7.自分をハッキリと示す

内的な欠如の回復に取り組む場面のこと

 

物語の作り方8.オブセッション

主人公が目的を遂に達成しようとする場面のこと

 

物語の作り方9.闘争

目的を遂に達成しようとする主人公に対して、敵側が最後の邪魔をする場面のこと

 

物語の作り方10.解決

主人公は目的を達成して葛藤を解決する場面のこと