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中世ダークファンタジー剣戟譚『LANCASTER《ランカスター》』連載中 © 2019 エンタメスタジオCre-eat

LANCASTER《ランカスター》:第17話 西暦1429年、百年戦争

LANCASTER《ランカスター》:第14話 運命との邂逅

第17話 西暦1429年、百年戦争
あらすじ:朝霧は、ループを繰り返して、遂に盗賊から子供たちを救い出すことに成功する。

 

 

LANCASTER《ランカスター》とは

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

 

 

LANCASTER《ランカスター》第17話:西暦1429年、百年戦争

 

す、凄い……一瞬で盗賊の親玉を倒しちゃうなんて……

さすが、ランカスター隊長

 

そのランカスター隊長の動きに追随できる朝霧さんも凄いです……

 

見事な剣術だ。だが、騎士や剣士のそれではあるまい

朝霧、貴方は何処でその技を身に付けたのだ

 

まだガキだった頃、親のいない俺に手を差し伸べた組織があった

この《忍殺》の技術は、そこで身に付けた技だ

 

親のいない、か……

 

どうした

 

いや、何でもない

 

(悲しそうな目だ……それは俺に対する同情か?)

それよりランカスター。この世界についてお前に聞きたいことがある

 

この世界についてだと……? 奇妙な事を聞くのだな。まあ、よい

だが、その前に急いでここを離れよう。火が迫っている。話はその後だ

 

ああ

 

 

 

中世ダークファンタジー剣戟譚『LANCASTER《ランカスター》』:ディーンの村

 

 

ようやく隣村のディーンに着いたわね!

 

隣村と言っても、結構歩きましたけどね。もうお日様があんなに……

 

ココットやローレンらは、しばらくここで休むといい

領主には話を通してある。村が復興するまでは面倒を見てくれるそうだ

 

ランカスター隊長。何から何まで本当にありがとう

どうやって感謝したらいいか……

 

気にするではない。悪意を砕き、正義を守るのが騎士の責務だ

 

朝霧もありがとね

 

ああ

 

ランカスター隊長……すみません

本当は薬草をお渡しする予定だったのに……

 

問題ない。ココットがこうして無事なだけでよい

 

待て。薬草ならここにある

『怪我人に使ってくれ』とココットから頼まれて預かったが、どうやら使わずに済んだらしい

 

そうか。ならば、その薬草、貰ってもよいか

 

は、はい。もちろん……

 

よく見たら、怪我をしているではないか。ほら、手を貸して

 

え、でも、私のために……

 

よいのだ。ほら早く

 

はい……

 

よし。これでよいのだ。数日もすれば、綺麗に治るだろう

 

ありがとうございます、ランカスター隊長!

 

では、私はそろそろウィンザー城に戻ろう

 

 

臆病そうな少女「え~。まだここにいてよ~ランカスターお姉ちゃん」

意地っ張りそうな少年「そうだよ! まだいいじゃんか!」

 

 

こらっ! ランカスター隊長を困らせないの!

隊長はお仕事で忙しいのよ

 

 

臆病そうな少女「は~い、じゃあね~ランカスターお姉ちゃん!」

意地っ張りそうな少年「ちぇっ、分かったよ! じゃあな、ランカスター隊長」

 

 

ああ、みんな元気でな!

それで朝霧。先程言っていた聞きたい事とは何なのだ

 

知りたいことがある

単刀直入に聞く。ここは一体どこで今はいつだ

 

ハハッ。何なのだ、その質問は。私をからかっているのか?

 

そんなつもりじゃない。本当に分からないんだ……

気づいたらこの場にいた

 

……

西暦1429年。イングランド王国《王都ロンドン郊外》──それが、私たちの今いる時間、場所だ

 

なっ……!? 嘘だ……

(そんな馬鹿げた話、信じられるか)

 

嘘などではない。私は決して虚言は言わない

 

(だが、確かに今まで見たことはそうとしか説明できない……)

(騎士、盗賊、瓦葺の家屋……どれも現代ではありえない真実味があった)

 

どうしたのだ。急に顔色が悪いではないか

 

だとしたらここは…………いや、間違いない……

──西暦1429年、百年戦争。その時代にタイムスリップしたというのか