概要:現役ゲームプランナーの視点から「創作に役立つ書籍」について紹介!
【漫画 小説 ゲーム シナリオの創作に役立つ本①】荒木飛呂彦の漫画術
『荒木飛呂彦の漫画術』は、キャラクターの作り方に関するノウハウをまとめた本です。
著者は『ジョジョの奇妙な冒険』の作者である荒木飛呂彦さんです。
本書では、以下の身上調査書を利用して、キャラクターを制作します。
- 姓名、略称
- 年齢
- 性別
- 生年月日
- 星座
- 血液型
- 身長
- 体重
- 髪の色
- 瞳の色
- 視力、眼鏡の有無
- 身体的特徴(鼻が高いetc)
- 人種
- 宗教
- 前科、賞、学歴
- 幼児、少年期の精神的体験
- セックス体験、恋人、結婚
- 将来の夢
- 恐怖
- 口癖、くせ
- 人間関係、態度
- 家族関係、態度
- トラブル関係
- 職業学校
- 経済状態
- ペット
- 性格(明るい、暗いetc)
- 特技、技、能力
- 趣味、娯楽(音楽、創作etc)
この項目を埋めていくことで、キャラクターに対する自己理解を深められます。
こうしてキャラクターの掘り下げをすれば、あまり悩まずにキャラクターの行動や台詞を書けるようになります。
実際、筆者もこの方法を使用しています。
そのおかげで、キャラクターを描写する際に筆が止まることが少なくなりました。
感情から書く脚本術
『感情から書く脚本術』は、キャラクターの見せ方についてまとめた本です。
筆者は名門UCLAの課外脚本執筆講座を受け持つカール・イグレシアスです。
本書では、以下のように、キャラの個性を引き立たせる台詞や文章の書き方等を紹介します。
台詞には、「話を逸らす」という手法があります。
メリットは、ある話題を振られた際に話を逸らすことで、その話題の確からしさを表現できる点です。
A「お前、あの子のことを好きだろ?」
B「そういえば、今日は天気がいいな」
このように、台詞、文章、場面を通じて、キャラクターの見せ方を学べます。
その結果、キャラクターの「感情」を中心とした物語を作れるようになります。
キャラクターに特化した物語を作りたい方に向いている本だと思います。
ハリウッド脚本術
『ハリウッド脚本術』は、「葛藤」を中心とした物語の作り方をまとめた本です。
物語とは、葛藤を通じて、キャラクターの成長過程を描いた物となります。
本書では、以下10の要素から物語を作る手法を紹介します。
- バックストーリー:変化前の主人公を見せる
- 内的な欲求:欠けている個人的特質を取り戻そうとする欲求
- キッカケとなる事件:解決すべき問題が現れる
- 外的な目的:上記問題を解決するための目的を設定する
- 準備:目的を達成するための準備をする
- 対立:敵と対立する
- 自分をハッキリと示す:内的な欠如の回復に取り組む
- オブセッション:外的な目的に向かう
- 闘争:敵との最終決戦
- 解決:目的を達成する
この10要素を埋めることで、キャラクターの葛藤⇒成長を描けます。
SAVE THE CATの法則
『SAVE THE CATの法則』は、『ハリウッド脚本術』を更に発展させた本になります。
本書は、米国アマゾンの脚本術部門で第1位を獲得した名著となります。
また、著者は、アメリカで有名な脚本家ブレイク・スナイダー氏です。
本書では、以下15の要素から物語を作る手法を提示しました。
- オープニング・イメージ
- テーマの提示
- セットアップ
- きっかけ
- 悩みのとき
- 第一ターニング・ポイント
- サブプロット
- お楽しみ
- ミッド・ポイント
- 迫りくる悪い奴ら
- すべてを失って
- 心の暗闇
- 第二ターニング・ポイント
- フィナーレ
- ファイナルイメージ
こうして細かい要素に分けることで、要所に要所に見せ場を作ることができます。
すなわち、山場に向けて緩急のある緻密な物語となります。
まとめ
以下おさらいです。ぜひ参考にしてみてください。
①『荒木飛呂彦の漫画術』:キャラクターの作り方に関するノウハウをまとめた本。
② 『感情から書く脚本術』:キャラクターの見せ方についてまとめた本。
③ 『ハリウッド脚本術』:「葛藤」を中心とした物語の作り方をまとめた本。
④ 『SAVE THE CATの法則』:『ハリウッド脚本術』を更に発展させた本。