概要:現役ゲームプランナーの視点から「キャラクターを作る際に考えること」について紹介!
説明するな! 見せろ!
魅力的なキャラクターを作る最大のコツは「説明するな! 見せろ!」です。
つまり、行動を通じて、キャラクターの感情を見せるということです。
例えば、怒っているキャラクターがいたとします。この際、「僕は怒っている」と書くのはNGです。
キャラクターの怒りは、以下のように「行動」として描いて下さい。
- パチンと張り手をかます
- 鋭い眼光で睨みつける
- 拳を地面に叩きつける
- 血が滲み出る程に唇を噛みしめる
このように、魅力的なキャラクターは、必ず「行動」で「感情」を表現します。
すなわち、行動を通じて、感情を見せます。
なぜ行動として描くことが重要なのか?
それは「行動」は動的な変化であるためです。
物語とは、キャラクターの成長・変化の過程を描いた物です。
つまり、読者は、キャラクターの変化の積み重ねを見たいと思っています。
こうした理由から、キャラクターを描く際は、「行動」を通じて「感情」を見せることが重要となります。
感情・容姿の説明をしない
キャラクターを描く際に絶対にしてはいけないことは「感情」「容姿」の説明です。
なぜなら、キャラクターの説明をしてしまうと嘘っぽくなるためです。
例えば、以下の通りです。
- 彼は優しい人だ
- 彼女は美人だ
どうでしょう。この表現を見て、具体的にイケメン・美女を思い浮かべられるでしょうか?
おそらく無理だと思います。
なぜなら、こうした表現は全て「説明」だからです。
キャラクターを描く際は、先述した通り、「行動」として見せることが重要です。
行動として描くことで、そのキャラクターの人柄や容姿にリアリティを出せます。
例えば、以下の通りです。
- 彼は道端に落ちている財布を見つけると拾い上げる。そして、わざわざ交番に届けに行った
- 彼女が歩く度、艶のあるブロンドの長い髪が揺れる。通りすぎる男はみなこぞって振り返る。
「彼は優しい人だ」と書くより、彼の優しい人柄が出ていませんか?
「彼女は美人だ」と書くより、彼女の美しさが出ていませんか?
このように、キャラクターの魅力を引き出したいなら「説明」は避けた方が無難です。
あらゆる引き出しをあける
全ての場面や出来事は、キャラクターの新しい一面を見せるための好機です。
機会がある度に、キャラクターの新しい一面を提示してみて下さい。
引き出しを開ければ開けるほど、キャラクターはどんどん魅力的になります。
例えば、以下の通りです。
■ 道路でボール遊びをする子たちを見つけた場面
- 一緒に遊ぶ(=子供好きな面を提示)
- 注意する(=お節介な面を提示)
- ボールを奪って返さない(=意地悪な面を提示)
■皆で焼肉をしている場面
- 焼く順番や焼き加減に拘る(=神経質な面を提示)
- 他人が焼いている肉を横から奪う(=無神経な面を提示)
- ありったけの肉をガバっと焼く(=ガサツな面を提示)
このように、あらゆる場面や出来事は、キャラクターの個性を見せる好機となります。
この機会を使って、ぜひ、キャラクターの新しい側面を見せてあげて下さい。
今まで見せなかった一面を見せることで、キャラクターの魅力をグっと引き出せます。
キャラクターの魅力について最も効果的に上げる方法は「意外性」の提示
「このキャラにはこんな可愛いらしい一面があったんだ……!」「このキャラにはこんなカッコイイ一面があったんだ……!」
読者は、こうした意外な一面を見る度に、キャラクターを好きになっていきます。
秘密を持たせる
「秘密」はキャラクターを魅力的にします。
言い換えれば、魅力的なキャラクターは、誰にも言えない秘密を抱えています。
例えば、以下の通りです。
- 昼間は超マジメな生徒会長だけど、実は夜はキャバ嬢のバイトをしている
- 会社ではエリートサラリーマンだけど、実は家ではマザコンで一人では何もできない
- 皆に憧れられるヒーローだけど、実は弱虫で臆病
このように、決して誰にも打ち明けられない秘密は、キャラクターを魅力的にします。
なぜなら、人は隠し事や秘密に興味を持ってしまう性質があるためです。
そのため、読者は、秘密を抱えるキャラクターに魅力を感じます。
まとめ
以下、魅力的なキャラクターの作り方です。
- 行動を通じてキャラクターの感情を見せる
- 説明は絶対に避ける
- 場面や出来事を通じてキャラクターの新しい一面を見せる
- 秘密はキャラクターを魅力的にする
最後までお読みいただき、ありがとうございました!