概要:「電子マンガ・ノベルサービス『ピッコマ』ヒットの秘密に迫る」という話。
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
当ブログは、現役ゲームクリエイターの視点から、 以下情報について発信するブログとなります。
・最新のエンタメ業界に関するニュース
・クリエイターのライフスタイル×ワークスタイル
尚、下記ラジオでは、エンタメ業界に関する最新情報についていち早く発信中!
- 電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」ヒットの秘密に迫る
- そもそも電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」とは?
- 「ピッコマ」ヒットの秘密①:毎日ログインしたくなる設計
- 「ピッコマ」ヒットの秘密②:漫画・小説という続きが気になる特性を活かした課金システム
- 小説「LANCASTER《ランカスター》」:試し読み
電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」ヒットの秘密に迫る
最近、Twitterにて、以下ツイートをしました。
ピッコマで2018年にスタートしたノベル配信は、開始当初の約60作品から、この度2020年10月に3,000作品を突破いたしましたとのこと。
— わたなべ りょう@GamePlanner (@Studio_Creeat) 2020年10月10日
2年で3000作品という配信ペースは、凄い……
ピッコマは、いま本当に勢いある人気アプリですな。https://t.co/0TUNcjjVQd @PRTIMES_JPより
ピッコマで2018年にスタートしたノベル配信は、開始当初の約60作品から、この度2020年10月に3,000作品を突破いたしましたとのこと。
2年で3000作品という配信ペースは、凄い……
ピッコマは、いま本当に勢いある人気アプリですな。
今日は、「電子マンガ・ノベルサービス『ピッコマ』の人気の秘密に迫る」という話をしたいと思います。
そもそも電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」とは?
電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」とは、"毎日待つだけで1作品につき1話を無料で読むことができる"というコンセプトを売りにした電子マンガ・ノベルサービスのことです。
尚、アプリ版「ピッコマ」は、2016年4月20日のサービスリリース以来、累計2,300万ダウンロードを突破したとのことです。※ 累計ダウンロード数は 2020年9月時点の iOS/Android の合算です。
また、iOS/Androidアプリ売上ランキングでは、常にTOP10にランクインするような大人気サービスになっています。
ピッコマ TV CM
「ピッコマ」ヒットの秘密①:毎日ログインしたくなる設計
ピッコマのヒットの要因の一つとしては、"毎日ログインしたくなる設計"が挙げられると思います。
ピッコマでは、ユーザーに毎日ログインして貰うために、主に以下2種の施策を行っています。
Ⅰ. 毎日1作品につき1話無料で読める
ピッコマでは、プラットフォーム内で配信中となる漫画であれば、毎日1作品につき1話無料で読むことができます。
例えば、今日無料で「ヒカルの碁」1巻1話を読んだ後は、また明日無料で1巻2話を読むことができます。
もちろん、"¥0+券"または"コイン"といった一部課金アイテムさえ持っていれば、続けて2話3話と読み進めることもできます。
しかし、このような一部課金アイテムを持っていなかったとしても、時間さえ掛ければ、基本的には毎日1作品につき1話無料で読むことができます。※最新話など一部エピソード除く
Ⅱ. ログインするだけでボーナスを貰える
ピッコマでは、毎日ログインするだけで、作品を読むのに使用できるアイテム/コインを入手することができます。
言ってみれば、スマホゲームのログインボーナスです。
このように、毎日ログインしたくなる設計にすることで、アクティブユーザー率が高くなっているのだと思います。
「ピッコマ」ヒットの秘密②:漫画・小説という続きが気になる特性を活かした課金システム
漫画・小説というのは、得てして1話・2話と見てしまうと、続きが気になるものです。
ピッコマでは 、"¥0+券"または"コイン"といった一部課金アイテムを持っていれば、続けて2話3話と読み進めることができます。
つまり、待てば無料で読めるけど、課金することで、ノンストップに読み進めることができます。
そのため、社会人など忙しいユーザー(可処分所得の高い層)を中心に、"課金してすぐに読む"という需要が高いのだと思われます。
いちユーザーとして、いちクリエイターとして、ピッコマを使ってみた感想としては、大体こんな感じです。
おそらく企画・設計の上流工程にスマホゲーム系のプランナーが加わっていそうという印象です。スマホゲームで使用されているゲームデザインがよく織り込まれていると思いました。
小説「LANCASTER《ランカスター》」:試し読み
小説「LANCASTER《ランカスター》」とは、筆者がシナリオ担当として描いたダークファンタジー小説のことです。
あらすじについては、以下の通りです。
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる――
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事――
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
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