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小説「LANCASTER《ランカスター》」第2話 運命との邂逅(2)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第2話 運命との邂逅(2)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第2話 運命との邂逅(2)

 

「今のは夢……?」

 

首元に手を置く黒衣の男。

首と胴は、繋がっていた。

ホっとひと安堵するのも束の間――

 

「また同じ光景だ……」

 

揺れる黒い双眸。

その先には、今まさに轟々と燃える村の姿が映る。

黒衣の男は、怪訝に辺りを伺う。

 

「どういうことだ……」 

 

焼け落ちる瓦葺の家屋。

転がる農民の死体。

初めて見るはずの光景。

しかし、不思議なことに、その光景に見覚えがあった。

 

「デジャブ……?」

 

頭を抱える黒衣の男。

しかし、考えてみたところで、答えは出ない。

その時――

突如、地面が揺れ出す。

 

「これも同じだ……」

 

前方を見つめる黒衣の男。

立ち込める砂煙。

何かが勢いよく迫って来る。

しかし、その姿は、砂煙でよく見えない。

近づいてくるにつれ、荒げた声が聞こえてくる。

 

「土くせぇ農民の男共には興味はねぇ。女以外は皆殺しだッ!」

「これだから盗賊は止められんねぇ」

 

砂塵が晴れる。

姿を現したのは、二頭の馬。

ボロ蓑を纏った二人の盗賊。

その身体は、返り血で真赤に汚れている。

 

「まだ生き残りがいたか」

「丁度いい。奪った剣で試し斬りと行こうじゃあねえか」

 

盗賊の一人が剣を片手に振り上げる。

黒衣の男は、思わず固まる。

 

「ま、待て!」

「ヒャハッーー!」

 

振り下ろされる凶刃。

黒衣の男の首が飛ぶ。

……かのように見えた。

しかし、寸前、腰を抜かして尻餅をつく。

盗賊の刃は、空を斬る。

 

「た、助かった……」

 

震える足で立ち上がる黒衣の男。

背中から、からんからん、と何かが地面に落ちる。

 

「これは……」

 

拾い上げた物。

それは、黒漆の鞘。

鞘には、肩から掛けられるように組紐が施されている。

それは、まさしく日本刀だった。

 

「この刀は、俺が落としたのか……?」

 

疑問に思っている暇はない。

馬の踵を返す盗賊。

再び、斬り掛かって来る。

 

「武器を持っていたか。だが、そんな震える腕で振れんのかッ!」

「俺が刀を振るう……そんなことができるのか」

 

震える手で柄を握る黒衣の男。

初めて手にするはずの刀。

素人が扱えるはずもない。

しかし、躊躇している暇などもはや無い。

敵は、眼前に迫っている。

 

「やるしかない……」

 

 

次話:不死のラーフ篇 第3話 運命との邂逅(3) 

 

 

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