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小説「LANCASTER《ランカスター》」第4話 運命との邂逅(4)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第4話 運命との邂逅(4)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第4話 運命との邂逅(4)

 

黒い一閃を放つ。

吹き上がる血しぶき。

打ち上がる盗賊の首。

頭を失った胴体は、ぐらりと後ろにもたげる。

そして、馬上から崩れ落ちる。

盗賊は、無残な仲間の死体を見て、口を開ける。

 

「な、何者だ……お前は」

「あと一人」

 

盗賊を睨む烏。

再び、逆さに黒刀を構える。

 

「壱ノ殺陣 《影踏み》」

「ひぃぃぃ」

 

口元を恐怖に歪める盗賊。

急いで馬の腹を蹴り、背中を向けて走り出す。

刹那、盗賊の背後より姿を現す烏。

 

「背より御免」

 

黒い一閃を放つ。

吹き上がる血しぶき。

打ち上がる盗賊の首。

烏は、刀身に付いた血を払う。

そして、慣れた手つきで刀を納める。

 

「これは、俺が本当にやったのか……」

 

地面に転がる盗賊の死体を見て、動揺する烏。

手は、微かに震える。

目は、落ち着きなく揺れる。

その姿に先程までの気迫はもうない。

 

「俺はいったい何者なんだ……」

 

苛立ちながら頭を抱える烏。

再び脳裏に黒衣の翁の姿がよぎる。

 

「『記憶は無くとも身体は覚えているはずだ』か……」

  

突如、再び地面が揺れる。

その揺れは、先程の比ではない。

烏は、不安な表情で音のする方へ振り向く。

 

「今度は何だ……」

 

濛々と立ち込める砂煙。

何かが勢いよく迫って来る。

しかし、その姿は、砂煙でよく見えない。

それでも、烏には分かった。

 

「ヤツらの仲間か……」

 

砂塵が晴れる。

敵の数は、十余名。

明らかに不利だった。

烏は、急いで踵を返す。

そんな烏の目の前に、一匹の馬の姿が映る。

それは、先ほどの盗賊たちが乗っていた馬だ。

 

「足で撒けるとは思えないが、俺に馬なんて乗れるのか」

 

グズグズ考えている暇はない。

敵は、土煙を上げながら背中まで迫っている。

烏は、一か八かに賭けた。

馬に飛び乗り、手綱を手繰り寄せる。

 

「ハッ!」

 

掛け声と共に勢いよく駆け出す馬。

烏は、手綱をしっかり握り、乗りこなす。

 

「これも身体が覚えているのか……?」

 

疑問に思いつつも、今はとにかく馬を走らせた。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第5話 運命との邂逅(5) 

 

  

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