概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第8話 運命との邂逅(8)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第8話 運命との邂逅(8)
ザンテツは、鉤爪にこびり付いた肉をしゃぶる。
「オデ、オナカ、ヘッタ」
「なんだ、このデカブツは……」
黒刀を構え直す烏。
ザンテツは、苦そうに口から肉を吐く。
「オトコノ肉、マズイ。ハラヘッタ」
烏のことを気にも留めない様子のザンテツ。
まるで飢えた獣のように鼻をフガフガと鳴らし、辺りを伺う。
烏は、一足飛びでザンテツの背を取る。
「隙だらけだ。今の内に仕留める――」
黒い一閃を放つ。
ザンテツの首が打ち上がる。
――と思われた。
次話:不死のラーフ篇 第9話 運命との邂逅(9)
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