概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第18話 運命との邂逅(18)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第18話 運命との邂逅(18)
次の瞬間、森の中から勢いよく一匹の馬が飛び出る。
揺れる淡い栗色の髪。
なびく外套。
身の丈を超える大きな長弓。
月明りの下、翡翠の瞳の女弓兵が現れる。
「ランカスター隊長を傷付けようとする者には容赦しませんッ!」
驚異的な速射。
恐るべき命中精度。
額に風穴を開けて、次々に倒れる盗賊の残党。
あっという間に盗賊の死体が積み上がる。
烏は、怪訝に女弓兵を睨む。
「一体、何者だ……」
女弓兵は、馬から降りる。
烏をよそ目に、心配そうにランカスターの下へ駆け寄る。
「お怪我はありませんか、ランカスター隊長!」
「うむ。見ての通りだ」
「良かった……」
「礼を言うぞ、ホークアイ」
「れれれ礼なんて……そんな滅相もないですッ!」
ホークアイと呼ばれた少女は、風で乱れた髪を整えながら、嬉しそうにはにかむ。
次話:不死のラーフ篇 第19話 運命との邂逅(19)
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