クリエイター生活!

現役ゲームクリエイターの視点から「クリエイターの生活/仕事」 について毎日発信中!

小説「LANCASTER《ランカスター》」第26話 運命との邂逅(26)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第26話 運命との邂逅(26)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第26話 運命との邂逅(26)

 

 

ホークアイは、優しく言葉を続ける。

 

「地面に両膝をつけて下さい。それから、目を閉じてください」

「ああ」

 

言われるがまま地面に跪く烏。

ランカスターは、こくりと頷く。

静かに鞘から長剣を引き抜く。

 

「では、始めるぞ」

 

ランカスターは、烏の肩に長剣の腹を当てる。

淡い月下に照らされ輝く純白の長剣。

 

「今この刻より、我々は新しい者を迎え入れる」

 

一変する空気。

草木がざわめく。

 

「新たな者よ、汝はこれより生まれ変わる」

 

夜の月が二人を照らす。

 

「その身は、シュヴァリエの名誉と共に、誇りと正義を纏い――」

 

いっそう強くなる風。

 

「その勇敢なる魂は、たとえ死に至るとも、決して屈する事は無く――」

 

亜麻色の髪が揺れる。

 

「その剣は、弱きを助け、貪る惡を討つ」

 

赤き血潮のごとき朱色の外套がたなびく。

 

「今この刻より、汝の道は拓かれよう」

 

二人の間に強い風が吹き抜ける。

 

「ようこそ、ガーター騎士団へ」

 

ゆっくり瞼を開く烏。

月明りの下、凛として手を差し伸べるランカスター。

その頭上では、月が曇りなく輝いていた。

それは、まるで烏の行先を暗示しているかのようだった。

 

小説「LANCASTER《ランカスター》」

 

 

次話:不死のラーフ篇 第27話 運命との邂逅(27)

 

 

▼電子書籍版