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小説「LANCASTER《ランカスター》」第29話 深まる謎(2)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第29話 運命との邂逅(2)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第29話 深まる謎(2)

 

 

ランカスターは、突如、馬の脚を止める。

 

「待て。何か様子が変だ」

「確かに変ですね」

 

馬の脚を止め、訝しげに遠方の砦を見つめるホークアイ。

闇夜に輝く翡翠の瞳は、まるで鷹の目のよう。

 

「食いかけの料理、飲みかけのエール……」

「……?」

「先程まで室内にいた形跡はあるのに、やけに静か過ぎます」

「ここから砦の中が見えるのか?」

 

烏は、不思議に思った。

いま三人のいる場所から砦までは、距離が離れている。

しかし、ホークアイは、まるで砦の内部を見通しているかのよう。

ホークアイは、ランカスターの横顔を見つめる。

 

「まさか、気づかれたのでしょうか」

「それはあるまい」

「ですが……」

「全力で馬を飛ばして来たのだ。気付かれるとしても、あと一刻は掛かる筈だ」

「それならどうして――」

「分からない。しかし、何かが起きているようだ」

「何かが……」

 

不安そうな表情を見せるホークアイ。

ランカスターは、再び手綱を握り締める。

 

「何れにせよ、行って確かめる他ないだろう」

「……」

「それに、副長の合流が遅いのも気になる。先を急ごう」

「お待ちください、ランカスター隊長」

「何のつもりだ、ホークアイ」

 

先を急ごうとするランカスター。

ホークアイは、その前に立ち塞がる。

 

「敵の罠の可能性もあります。私に偵察をさせてください」

 

 

次話:不死のラーフ篇 第30話 深まる謎(3)

 

 

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