概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第31話 運命との邂逅(4)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第31話 深まる謎(4)
まもなく、第一砦内部に到着する。
烏は、怪訝に辺りを伺う。
「どういうことだ……」
屋根もない剥き出しの石造りの部屋。
辺りには、無数の盗賊の死体が転がっている。
烏は、思わず鼻を塞ぐ。
「酷い臭いだ」
酷く血の臭いが漂う。
その臭いは、奥に進めば進むほど、強くなっていく。
「これは……」
建物の奥では、もっと多くの盗賊の死体が転がっていた。
十や二十なんてものではない。
それ以上だ。
生きている者なんていない。
ことごとく横たわって血を流して死んでいる。
否――
そんな中、一人だけ立っている者がいるではないか。
次話:不死のラーフ篇 第32話 深まる謎(5)
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