概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第33話 深まる謎(6)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第33話 深まる謎(6)
烏は、吐血しながら立ち上がる。
「俺が盗賊だと……」
「下手な芝居はよさないかい」
「勘違いしているのか」
「やれやれ、まだ続けるか」
長剣を構える眼帯の男。
烏もまた黒刀を構える。
「仕方ない」
一足飛びで相手の背に回る烏。
黒い一閃を放つ。
しかし、虚しく空を斬る。
眼帯の男は、すかさず長剣を振り下ろす。
「そんな単純な動きでは僕は倒せないよ」
「速ッ――」
なんとか間一髪で回避する烏。
眼帯の男は、感心したように頷く。
「へぇ、今のを避けたか」
「コイツ……」
烏は、今の一瞬で悟った。
この眼帯の男は、今まで出会ったどの敵よりも危険だと。
次話:不死のラーフ篇 第34話 深まる謎(7)
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