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小説「LANCASTER《ランカスター》」第35話 深まる謎(8)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第35話 深まる謎(8)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第35話 深まる謎(8)

 

 

眼帯の男は、不気味に微笑む。

 

「どうしたんだい。顔色が悪いよ」

「気のせいだ」

 

首を横に振る烏。

しかし、敵の刃に映る烏の顔は、今も苦しそうにもがいている。

細胞が危機を告げる。

打開せねば、死ぬと。

その時――

忘れていた記憶の一部が蘇る。

 

白い無機質の建物の中、檻に入れられた一匹の虎。

その場所に、二人の男が立っていた。

烏、そして、背中に刀を差した黒衣の翁。

黒衣の翁は、檻を斬り裂く。

 

「烏よ、自分より強い相手と愚直に戦ってはならぬ」

「どういう意味だ」

「我われ暗殺者の真骨頂は、敵を翻弄することにある」

「だが、どうすればいい」

「見ておれ」

 

居合の構えを取る黒衣の翁。

 

「――参ノ殺陣 《影首おとし》」

 

刹那、姿を消す。

代わりに、どこからともなく数十羽のカラスが現れる。

けたたましい鳴き声。

舞い散る黒い羽。

羽が晴れた時。

そこには、獣の首だけが転がっていた。

思い出した記憶は、そこまでだった。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第36話 深まる謎(9)

 

 

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