クリエイター生活!

現役ゲームクリエイターの視点から「クリエイターの生活/仕事」 について毎日発信中!

小説「LANCASTER《ランカスター》」第36話 深まる謎(9)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第36話 深まる謎(9)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第36話 深まる謎(9)

 

 

危機を感じた烏は、居合の構えを取る。

 

「参ノ殺陣――」

「このカラスの群れは一体どこから……」

 

怪訝そうに辺りを伺う眼帯の男。

どこからともなく現れた数十羽のカラスが不気味に鳴き喚く。

眼帯の男は、額から冷や汗を流す。

 

「その技はマズそうだ……」

 

しかし、怪しく輝く刀身には、烏の死相が未だに映る。

まもなく決着がつく――

そう思われた時だった。

二人の間に、一匹の青い馬が飛び出す。

揺れる亜麻色の髪。

なびく朱色の外套。

ランカスターは、馬上から二人を見下ろす。

 

「二人ともそこまでだ」

「ランカスター……!」

「ランカスター隊長……!?」

 

静かに武器を下ろす二人。

続けて、一匹の馬が飛び出す。

揺れる栗色の髪。

輝く翡翠の瞳。

ホークアイは、安堵した表情で烏を見下ろす。

 

「間に合って良かった」

「ホークアイ……」

 

鞘に刀を納める烏。

ランカスターは、馬から降り、二人の間に割って立つ。

 

「二人とも剣を納めるのだ」

「どういうことだ……」

「烏よ、紹介しよう。彼はガーター騎士団、第二十四大隊副長――」

「……」

「クロノス・ヒースクリフだ」

「副長……」

 

首を傾げる烏。

ホークアイは、馬から飛び降り、心配そうに烏の下へ駆け寄る。

 

「ご無事で何よりです」

「ああ。おかげで助かった」

 

ヒースクリフと呼ばれた白髪隻眼の男の顔を伺う烏。

ヒースクリフもまた状況を飲み込めていない様子だった。

 

「これはどういうことかな……ランカスター隊長」

「それは此方の台詞だ。何故、先に第一砦にいるのだ」

「それは……」

「まあ、よい。事情は後だ。それより首領のラーフは?」

「ここにはいないみたいだよ」

「ならば、残すは第二砦のみ。急ぐぞ――」

 

 

次話:不死のラーフ篇 第37話 深まる謎(10)

 

 

▼電子書籍版