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小説「LANCASTER《ランカスター》」第39話 深まる謎(12)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第39話 深まる謎(12)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第39話 深まる謎(12)

 

 

ランカスターは、バツが悪そうに背を向ける。

 

「……すまない。余計な詮索をした」

「いや、別にいい」

 

それから、しばらく会話が途切れた。

ずしりと重たい沈黙。

風の音だけが聞こえる。

気まずい空気が支配する。

そんな静寂を破ったのは、ランカスターだった。

 

「他人の過去を詮索したのだ」

「……」

「私も自分の過去を打ち明けねばなるまい」

「ランカスターの過去……」

 

静かに耳を傾ける烏。

ランカスターは、烏と同じ木に寄り掛かる。

 

「よく言われることがある」

「……」

「女なのになぜ騎士をしているのかと」

「……」

「しかし、孤児として生まれた私には此れしか無かった」

 

腰に提げた長剣を見つめるランカスター。

烏は、頭を抱える。

 

「孤児……」

 

一瞬、脳裏によぎる。

どこへ行く宛もないみすぼらしいボロの少年。

行き交う人々は、誰も手を差し伸べてくれない。

その少年が誰なのか。

烏には分からない。

遠い記憶。

しかし、どこか懐かしい記憶だった。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第40話 深まる謎(13)

 

 

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