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小説「LANCASTER《ランカスター》」第44話 明けない夜(1)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第44話 明けない夜(1)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第44話 明けない夜(1)

 

 

眩しい陽の光。

吹き抜ける暖かな風。

鳥のさえずり。

烏は、重たい瞼を開いて、ようやく目を覚ます。

 

「これは、どういうことだ……」

 

激動の異世界生活一日目が過ぎ、二日目を迎えるはずだった。

そう。

そのはずだった。

しかし、いま烏の眼前に広がる景色。

それは、まさしく一日目の夜と同じ光景だった。

夜の森の中。

天幕の前。

薪を下ろすランカスター。

まさに焚火を用意する所だった。

烏は、薪を持ったまま呆然と立ち尽くす。

 

「まただ……」

「どうしたのだ」

「また巻き戻っている」

「何を言っているのだ」

「……」

「それより、その薪を貰えぬか」

「ああ」

 

言われるがままに薪を下ろす烏。

ランカスターは、懐からおもむろに火打石を取り出す。

かちかち、と二回ほど打ちつける。

小さな種火。

やがて燃え広がり大きな炎が生まれる。

ランカスターは、満足そうに腕を組む。

 

「これで寒さは凌げるだろう」

「だが、どうしてだ」

 

頭を抱える烏。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第45話 明けない夜(2)

 

 

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