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小説「LANCASTER《ランカスター》」第47話 明けない夜(4)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第47話 明けない夜(4)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第47話 明けない夜(4)

 

 

烏は、驚きのあまり、抱えていた薪を落としてしまう。

 

「ループだ……」

「どうしたのだ?」

「ループしている」

「大丈夫か。顔色が悪いぞ」

「……」

 

返事をする気力もない烏。

その目は、虚ろ。

ようやく、この世界がループしていることに気づく。

そして、もうひとつ気づいたことがある。

 

「夜が明ける前に誰かに殺されている」

 

繰り返される時間。

幾度も味わう死の痛み。

烏は、絶望に打ちひしがれる。

 

「だが、なぜループするんだ……」

「気分でも悪いのか?」

「どうしたら、このループから抜け出せる」

「烏よ、聞いているのか」

「……」

 

烏は、事情を話そうと思った。

この世界がループしていること。

夜が明ける前に何者かに殺されていること。

しかし、ランカスターの青い瞳を見て、それはできないと悟る。

もし話せば、ランカスターは必ず信じる。

事情を知れば、必ず動き出す。

そんな危険に巻き込む訳にはいかなかった。

烏は、何事もないように繕う。

 

「ただの立ち眩みだ」

「……」

 

青い瞳で見つめるランカスター。

烏は、逃げるように、その場を後にする。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第48話 明けない夜(5)

 

 

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