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小説「LANCASTER《ランカスター》」第48話 明けない夜(5)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第48話 明けない夜(5)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第48話 明けない夜(5)

 

 

腰を下ろしたのは、天幕から少し離れた木の下。

烏は、月を見上げる。

 

「思えば、盗賊たちと戦っていた時もループしていた」

 

静寂。

虫の音以外は聞こえない。

 

「あの時は、行動を変えることで未来が変わった」

 

風が吹く。

黒い髪が揺れる。

 

「……だとしたら、今回も未来を変えられるかもしれない」

 

黒刀に手を掛ける烏。

 

「――犯人を見つけて、先に暗殺する」

 

天幕へ向かって歩き出す。

 

「犯人は、あの中にいるはずだ」 

 

天幕に戻る烏。

一行は、思いおもいに休息を取っていた。

長剣の手入れをするランカスター。

涎を垂らしてうたた寝するホークアイ。

静かに本を読みふけるヒースクリフ。

烏は、まず真っ先にヒースクリフを疑った。

 

「怪しいのはアイツだ……」

 

木を背にうたた寝したふりをする烏。

悟られないための工夫。

しかし、ヒースクリフは、一向に動き出す気配はない。

遂に動き出した――

かと思いきや、本を閉じて、横になるだけだった。

そうこうしている内に、夜は明けた。

無論、朝は来なかった。

またいつもと同じ夜が始まる。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第49話 明けない夜(6)

 

 

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