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小説「LANCASTER《ランカスター》」第53話 明けない夜(10)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第53話 明けない夜(10)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第53話 明けない夜(10)

 

 

烏は、勘づく。

 

「まさか、腹が減ったのか?」

「はい……」

「それで夜食を採りに来た、という訳か」

「お恥ずかしながら……」

 

頬を真っ赤にして俯くホークアイ。

烏は、途端に肩の力が抜ける。

 

「警戒していた俺が馬鹿みたいだ」

「警戒……?」

「いや、何でもない」

「それより、このことはランカスター隊長たちには内緒にしてくれませんか?」

 

目を潤ませ懇願するホークアイ。

任務中、勝手に行動している事がバレたら、怒られるとのことだった。

烏は、静かに頷く。

 

「他言するつもりはない」

「ありがとうございます!」

 

満面の笑みを浮かべるホークアイ。

その笑顔は、まさに純朴そのもの。

そんなホークアイが闇に紛れて暗殺するなど、到底考えられなかった。

これで残す容疑者は、ランカスターだけとなる。

ホークアイは、得意げに獲物を掲げる。

 

「もし良かったら、一緒に食べませんか?」

「せっかくだ。貰おう」

「そうと決まれば、さっそく調理といきましょう!」

「ああ」

 

二人は、薪を拾い集める。

まもなく薪の束ができ上がる。

ホークアイは、懐から火打石を取り出す。

 

「薪はこんなもので大丈夫でしょう」

 

かつんかつん、と二回ほど叩く。

小さな種火は、やがて、大きな炎へ変わる。

ホークアイは、腰から短刀を取り出す。

あっという間に野ウサギを捌いてみせる。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第54話 明けない夜(11)

 

 

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