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小説「LANCASTER《ランカスター》」第59話 明けない夜(16)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第59話 明けない夜(16)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第59話 明けない夜(16)

 

 

烏は、ランカスターの手を見つめる。

 

「焦っているのか?」

「何に」

「百年戦争に終止符を打つ、と言っていたな」

「うむ。今こうしている間にも、何処かで理不尽に命が奪われている」

「……」

「惡は貪り、善は搾取される。そんな不正を許せる訳がない」

「だからか」

「私は誰よりも強く正しく在らなければならない」

 

月を見上げるランカスター。

その瞳は、強い光を宿していた。

烏は、青い瞳に問う。

 

「俺には分からない。何がそこまでさせるんだ」

「……何もできずに泣く事しかできなかった過去の弱い自分」

「……」

「そんな自分を変えたいだけなのかもしれない」

「ランカスター……」

「すまない。辛気臭い話をした」

 

背を向けて歩き出すランカスター。

かと思いきや、突如、長剣を片手に立ち止まる。

 

「せっかくだ。剣の手合わせを願えぬか」

「手合わせ、か」

「軽くで良い」

「だが、生憎、真剣しかない」

「心配いらぬ。私に刃が触れる事は決して無い」

「どういう意味だ……」

 

まもなく、その言葉の意味を知る。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第60話 明けない夜(17)

 

 

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