概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第64話 明けない夜(21)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第64話 明けない夜(21)
夕食後。
烏は、ホークアイの後を尾行した。
ホークアイは、いつも通り、周囲を伺いながら夜の森の中へ姿を消す。
烏は、木陰に隠れながら偵察を続ける。
「……ヒントは、ホークアイが持っているはずだ」
「そこに隠れているのは誰ですかッ!」
すかさず矢を番えるホークアイ。
しかし、ここまでは想定内。
烏は、諦めて姿を現す。
「俺だ」
「烏さん……? どうしてこんな場所に」
静かに弓を下ろすホークアイ。
烏は、ゆっくりホークアイの下へ向かう。
「ホークアイに聞きたいことがあって来た」
「私に、ですか?」
「単刀直入に聞く」
「……急にどうしたんですか?」
「その鷹の目は、意識しなくても常に周りが見えるのか」
「どうして私の目のことを……」
小首を傾げるホークアイ。
次話:不死のラーフ篇 第65話 明けない夜(22)
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