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小説「LANCASTER《ランカスター》」第65話 明けない夜(22)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第65話 明けない夜(22)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第65話 明けない夜(22)

 

 

烏は、その翡翠の瞳を見つめる。

 

「ランカスターから聞いたんだ」

「そういうことでしたか」

「それで、どうだ」

「確かに、私の瞳は意識せずとも、鷹の目のように俯瞰して見ることができます」

「ということは、犯人は決して姿を見せていない、という訳か」

「どうしたんですか?」

「だが、どうやって……」

「何か悩んでいるなら、力になりますよ」

「力に、か」

 

烏は、今まで一人で犯人を見つけようとしてきた。

しかし、それが間違いだったのかもしれない。

烏は、そう思った。

 

「弓でもなく毒でもなく」

「……?」

「誰にも見つからずに標的を殺害する、そんな方法があると思うか?」

「誰にも見つからずにですか……」

 

うーんと唸るホークアイ。

長い沈黙があった。

ホークアイは、やがて重たい口を開く。

 

「昔、叔父からこんな伝承を聞いたことがあります」

「伝承?」

「はい。この世には《呪術》と呼ばれる妖しき術があるとか」

「何だ、それは」

「私も詳しいことは分かりません」

「……」

「ただ、呪術は代償を支払う代わりに、相手に相応の災厄を与えると聞きます」

「代償だと」

「はい。その際たる例は生贄です」

「……」

「多くの生贄を捧げることで、災厄もまた大きくなるとか」

「生贄……」

 

沈思黙考する烏。

今までの出来事を整理する。

繰り返してきた様々な記憶が錯綜する。

そして、いま繋がる。

一つの記憶へ。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第66話 明けない夜(23)

 

 

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