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小説「LANCASTER《ランカスター》」第67話 明けない夜(24)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第67話 明けない夜(24)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第67話 明けない夜(24)

 

 

ヒースクリフは、訝しげに烏を見つめる。

 

「わざわざ天幕から離れて、話って何かな?」

「……」

「どうしたんだい、そんな怖い顔をして」

「……」

「特に用がないなら、僕は戻るよ」

 

背を向けて歩き出すヒースクリフ。

烏は、呼び止める。

 

「待て」

「何かな?」

「今すぐ呪いを解け」

「……」

 

急に目つきが変わるヒースクリフ。

烏は、その変化を見逃さない。

 

「もう一度だけ言う。今すぐ呪いを解け」

「急に何を言っているのかな?」

「あくまで白を切るか」

「大体、僕がなんで君に呪いなんてものを掛けるのさ」

「……」

「それに、僕がいつ呪いを掛けたのさ」

「あの時だ」

「あの時……?」

「初めて対峙した、あの時だ」

 

ヒースクリフを睨む烏。

鮮明に記憶が蘇る。

夜の砦。

床に転がる無数の盗賊の死体。

血だまりの中に佇むヒースクリフ。

互いに剣を抜き、向き合った時だ。

ヒースクリフは、長剣を用いて、自らの指に傷をつける。

指から血を垂らしながら何やら詠唱を始める。

ヒースクリフは、あの時、代償を支払った。

一つは、無数の盗賊たちの死体を生贄として。

一つは、自らの血を犠牲として。

こうして代償を支払い、呪いを掛けた。

烏は、そう考えた。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第68話 明けない夜(25)

 

 

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