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小説「LANCASTER《ランカスター》」第68話 明けない夜(25)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第68話 明けない夜(25)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第68話 明けない夜(25)

 

 

ヒースクリフは、不気味に笑う。

 

「まさか、気づかれていたとはね」

「……」

「でも、どうやって気づいたんだい」

「お前に何度も殺されて、ようやく気づいた」

「面白い冗談を言うね」

 

くすりと笑うヒースクリフ。

その目は、笑っていない。

烏は、黒刀を抜く。

 

「呪いを解く気はないようだ」

「だから知らないと――」

「壱ノ殺陣 《影踏み》」

 

ヒースクリフの背後に回る烏。

狙うは、首。

黒い一閃を放つ。

しかし、虚しく空を斬る。

ヒースクリフは、余裕を浮かべる。

 

「前も言ったはずだよ」

「……」

「そんな単調な動きじゃ、僕は殺せないよ」

「どこを見ている。こっちだ」

「何ッ……!?」

 

目を見開くヒースクリフ。

ヒースクリフの首に刀が迫る。

あと少しで斬り落としていた。

烏は、地に足つかぬ動きで翻弄する。

 

「これでも単調な動きと言えるか」

「くっ……」

 

四肢から血を垂れ流すヒースクリフ。

まるで万華鏡のように分裂する烏を捉えることはできない。

烏は、トドメに掛かる。

 

「その首、斬り落とす――」

「欺け、壱ノ太刀《微睡の剣》」

 

ゆっくり長剣を振り下ろすヒースクリフ。

刹那、吹き上がる血しぶき。

烏は、宙に打ち上がる。

 

「カハッ……」

 

奇妙な太刀筋の剣だった。

たった、ひと振りだったはず。

しかし、烏が浴びせられた斬撃は、三発だった。

胸、腕、足。

どれも酷い傷だった。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第69話 明けない夜(26)

 

 

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