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小説「LANCASTER《ランカスター》」第87話 不死のラーフ(12)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第87話 不死のラーフ(12)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第87話 不死のラーフ(12)

 

 

ラーフは、再び立ち上がる。

血錆びの肉包丁を振り下ろす。

 

「残念だったなッ!」

「クソッ――」

 

咄嗟に刃で受け流す烏。

しかし、受け流し切れない。

後方へ勢いよく吹き飛ばされる。

荒々しい岩肌に身をぶつける。

内臓が圧し潰される。

吐血の量がそのダメージの大きさを物語る。

もはや立てるような状況ではない。

ラーフは、戦闘不能の三人を見て、ゲラゲラと下品に笑う。

 

「絶望の味はいかがかな?」

「これが魔女……これが絶望……」

 

地面に這いつくばりながら呻くホークアイ。

その時だった。

ラーフに向かって、一人ゆっくり向かう者の姿があった。

ランカスターは、長剣を片手に、静かにラーフへ向かう。

 

「この程度が絶望……?」

「ランカスター隊長……」

「私は強大な魔女と本物の絶望を知っている」

 

長剣を構えるランカスター。

ラーフは、傲慢にランカスターを見下ろす。

 

「お前ひとりで戦うというのか?」

「無論。たとえ、腕を捥がれようとも、瞳をくり抜かれようとも――」

「……」

「決して退くつもりはない。其が私の騎士道だ」

「ならば、望み通り、ここでくたばれッ!」

 

鉄塊を振り回すラーフ。

剣戟は、十余ばかり続く。

しかし、不思議なことに、刃は決してランカスターに届かない。

全て逸れていく。

ムキになって打ち付ければ、打ち付けるほど、更に逸れていく。

 

 

次話:不死のラーフ篇 第88話 不死のラーフ(13)

 

 

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