クリエイター生活!

現役ゲームクリエイターの視点から「最新のエンタメ業界情報」「クリエイターの生活×仕事」 について毎日発信中!

小説「LANCASTER《ランカスター》」第97話 不死のラーフ(22)

小説「LANCASTER《ランカスター》」

概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第97話 不死のラーフ(22)

 

 小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ

 

その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──

 

ある日、現代からタイムスリップした一人の男。

目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。

生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。

あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー

生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!

 

不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)

 

 

不死のラーフ篇 第97話 不死のラーフ(22)

 

 

ランカスターは、ホっと安堵する。

 

「皆、生きていて良かった」

「ああ。ランカスターのおかげだ」

「否。皆のおかげだ」

「そうか。だが、さっきの化物は何だったんだ」

 

開いた腹の傷口を押える烏。

ホークアイは、烏を見つめる。

 

「魔女です」

「魔女だと?」

「正確には、その成り損ないのようですが……」

「何だ、それは」

「大いなる禍をもたらす妖魔のことです」

「妖魔……」

「人の社会の中に紛れながら人を喰らう化物、と言った方がいいでしょうか」

「そんな者が本当にいるのか……」

 

半信半疑の烏。

ホークアイは、真剣に答える。

 

「いま見た通りです」

「……」

「見た目は人の皮を被っているので分かりませんが、奴等は存在します」

「となると――」

 

ランカスターを一瞥する烏。

ランカスターは、首を傾げる。

 

「ん?」

「ランカスターは、どうやって魔女だと見抜いたんだ」

「隊長の瞳は、あらゆる嘘を見抜く」

 

横から口を挟むヒースクリフ。

烏は、眉をひそめる。

 

「どういう意味だ」

「隊長の青い瞳は、生まれつき、あらゆる詭弁・欺瞞・不正を見抜いてしまう様だよ」

「……」

「ゆえに、その青い瞳はこう呼ばれる――破ノ碧眼(やぶりのへきがん)」

「そうか」

 

腑に落ちる烏。

ようやく違和感の正体を掴む。

烏は、その青い瞳を見る度、何か見透かされている気分になった。

ゆえに、ランカスターに嘘はつけなかった。

しかし、それは、決して気のせいではなかったのだ。 

 

 

次話:不死のラーフ篇 第98話 不死のラーフ(23)

 

 

▼電子書籍版