概要:小説「LANCASTER《ランカスター》」第105話 不死のラーフ(30)
小説「LANCASTER《ランカスター》」あらすじ
その男、死ぬ度に、思い出す度に、強くなる──
ある日、現代からタイムスリップした一人の男。
目が覚めると、そこは中世暗黒時代、百年戦争の地だった。
生きて再び現代に戻る条件はただ一つ。
あらゆる願いを叶える《奇蹟の円環》を手に入れる事ーー
生死を賭した中世ダークファンタジー剣戟譚、開幕!!
不死のラーフ篇 第1話 運命との邂逅(1)
不死のラーフ篇 第105話 不死のラーフ(30)
トロールは、幼き王の側に寄り添う。
「御方々にお集まり頂きましたのは他でもありませぬ」
「「「……」」」
「この国に危機が迫っているゆえでございます」
「「「……」」」
危機と聞いても動じぬ拝命二十四騎士長。
異様な静けさが続く。
ランカスターは、その中、臆せず問う。
「トロール殿、其はどういうことでしょうか」
「ふむ。末席のランカスターか」
「お答え願います」
「灰の国が動きを見せた」
「フランスが!?」
目を見開くランカスター。
トロールは、急に横柄な態度を見せる。
「ロワール川周辺にフランス軍が集まり出しておる」
「ロワール川ということは――」
「狙いはオルレアンに違いない」
「オルレアン……」
深刻そうに眉をひそめるランカスター。
拝命二十四騎士長たちの間にも動揺が走る。
次話:不死のラーフ篇 第106話 不死のラーフ(31)
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