概要:東洋から西洋まで世界各地に実在する盾について一挙紹介!
バックラー
バックラーとは、主に中世ヨーロッパにて使用されていた小型の盾のことです。
バックラーの特徴としては、以下の通りです。
- 敵の攻撃を受け流すのに向いている
- 一般的な形状は中央に拳ほどの大きい膨らみを有した凸型
- そのほかの形状としては「波型」「凹型」もあった
- 小さいゆえに、矢などを防御するのは難しかった
尚、バックラーを使用する場合は、腕を伸ばして、相手に向けるように盾を構えました。
それによって、相手が攻撃できる領域を制限していました。
タージ
タージとは、スコットランド等にて使用されていた丸い盾のことです。
タージの特徴としては、以下の通りです。
- 一般的な形状としては45〜55cm程度の丸い盾
- 丸い木の板に革を張って作った
- 盾の内側に皮帯を締めるバックルが仕込まれている
- バックルを利用することで腕に掛けることも可能
- 腕に盾を掛けることで両手で剣を扱うことができた
尚、現存する有名なタージとしては、チャールズエドワードスチュアート(1766年-1788年)が所有していたとされる物があります。
王の所有物だけあって、非常に豪華絢爛な作りとなっています。
アダルガ
アダルガとは、北アフリカで使用されていた大型の盾のことです。
アダルガの特徴としては、以下の通りです。
- 大きさは、60~80cm程度
- 動物の革を幾重にも縫い合わせて作った
- あらゆる打撃に対して耐性がある
尚、神話に登場する防具について興味がある方は、以下記事も見てみてください。
ランタンシールド
ランタンシールドとは、 イタリアで使用されていた盾のことです。
ランタンシールドの特徴としては、以下の通りです。
- 盾と籠手と剣が一体化している
- 腕を護りながら攻撃を繰り出せる
- 盾の部分にはランタンを吊るすためのフックがある
- ランタンを付けることで、相手の目をくらました
尚、武器防具の知識について深めたい方は以下書籍がオススメです。
▼本書の特徴
・ダガー/メイスなど西洋ファンタジーに登場する各種武器について"図解"で"分かりやすく"説明している
・武器の各部位に関する正式名称について記載されている(小説執筆に便利)
・各武器の使い方などについて記載されている
アボリジニの盾
アボリジニの盾とは、 オーストラリアの先住民アボリジニが使用されていた盾のことです。
アボリジニの盾は、樹皮を削りとっただけの簡素な盾でした。
グラグワ
グラグワとは、カメルーンで使用されていた盾のことです。
グラグワの特徴としては、以下の通りです。
- 基本的には革からできていた
- 中には、金属製もあった
- 形状としては釣鐘型になっていた
尚、神話に登場する武器について興味がある方は、以下記事を見てみてください。
ヒーターシールド
ヒーターシールドとは、中世ヨーロッパの頃に使用されていた盾のことです。
ヒーターシールドの特徴としては、以下の通りです。
- 形状としてはアイロンのような形
- 革で覆われた薄い木で作られていた
- 中には、金属で覆われたものもあった
- 盾の下側にかけてシャープになっていく
- 盾の下側から斬撃を繰り出させた
- 一方、盾の下側は隙にもなった
尚、有名なヒーターシールドとしては、ソールズベリー大聖堂のウィリアム2世ロンゲスピー(1212-1250)のヒーターシールド、カンタベリー大聖堂の黒太子エドワード(1330-1376)のヒーターシールドがあります。
カイトシールド
カイトシールドとは、神聖ローマ帝国の時代から使用されていた大型の盾のことです。
カイトシールドの特徴としては、以下の通りです。
- 名前の通り、凧の形をしている
- 騎兵用に作成された
- 盾の下部は騎兵の左脚を保護する
- 盾の上部は騎兵の肩と胴体を保護する
- 非常に大型のため、歩兵が装備するのには向いていない
尚、カイトシールドについては、ロンドンのテンプル教会で発見された彫刻を見れば、どういった形なのかが分かるかと思います。
バタシーシールド
バタシーシールドとは、ロンドンのテムズ川にて発見された鉄器時代の盾のことです。
バタシーシールドの特徴としては、以下の通りです。
- ラ・テーヌ様式で装飾されている
- 青銅で覆われた木の板で作られていた
- 非常に美しい見た目をしている
尚、神話に登場するアイテムについて興味がある方は、以下記事も見てみてください。
武器防具の描き方について興味がある方は、以下書籍が参考になるかと思います。
【4世紀― 17世紀】ヨーロッパ騎士装束の構造や着用法などを徹底図解!
グレートヘルム[Great Helm]/バシネット[Bascinet]/ホーバーク[Hauberk]/
コート・オブ・プレート[Coat of plates]/ブレストプレート[Breast Plate]/
ミラノ・ゴシック・マクシミリアン式甲冑 ほか
それぞれの時代の代表的な甲冑の名称や各部パーツ(ガントレット[Gauntlet]、グリーヴ[Greave]、サバトン[Sabaton] など)の構造を分解して図解。それぞれの時代背景、甲冑の着用方法、なんと、ホーバークの制作方法なども掲載。さらに、騎士の乗る馬の種類・馬具・馬鎧や、剣・槍・盾などの武具まで細かく解説。
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