概要:中世ヨーロッパの洗濯事情について紹介!
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:洗濯篇
ストーリーで学べる中世ヨーロッパとは
あなたは、ある日、現代から中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまう。
あなたの目的は、再び現代に帰ること。
あなたは、知識を身に付けながら過酷な中世ヨーロッパを生き抜く決心をする。
あなたは、中世ヨーロッパに来てからというもの、服を洗っていないことに気づく。
汗泥が染み込んだ服からは、饐えた臭いが漂う。
しかし、あなたは疑問に思う。
中世ヨーロッパでは、どうやって洗濯をしていたのだろうかと。
マルグリッド・オブ・ランカスター
うむ。酷い臭いだ。川へ行こう
あなたは、疑問に思いつつも、今はただ女騎士に付いて行くことにした。
尚、「ストーリーで学べる中世ヨーロッパ」シリーズについて最初から読みたい方は、以下記事を読んでみてください。
【中世ヨーロッパ】貧しい農村地域では川で服を洗濯していた
中世ヨーロッパを舞台にした映画を観ていると、しばしば、農民が川で服を洗っているシーンを見かけます。
実際、貧しい農村地域では、近くの川にて、洋服の洗濯が行われていました。
川での洗濯手順は、以下の通りです。
- 服をかき混ぜて汚れを流す
- 平らな石に服をこすりつけたり叩きつける
- 服をねじって水気を取る
- 近くの木または軒先にぶら下げて乾かす
尚、こうした川での洗濯の風景については、画家ウィリアム・ヘンリー・パインによって描き残されています。
----------------------------------------------
ストーリーサイド
あなたは、女騎士に引き連れられ、森の側に流れる川の前に着いた。
あなたは、言われるがままに服を脱ぐ。
冷たい川の水に手を入れ、ジャブジャブと服を洗う。
しかし、残念。
川での洗濯に慣れないあなたは、服の一部を流され失ってしまった。
マルグリッド・オブ・ランカスター
一枚しか服を持っていないのか。うむ、仕方あるまい。服を買いに行こう
【中世ヨーロッパ】都市には共同の洗面所が設置されていることもあった
都市または経済的に余裕がある村には、共同の洗面所が建設されていることがありました。
洗面所には、多くの人が一緒に洗濯できるように、水が流れる大きい洗面台また、水を貯めた長い洗面台が設けられていました。
尚、余裕がある都市または村では、洗面所に屋根も付けられていました。
【中世ヨーロッパ】共同洗面所は女性のおしゃべり場だった
中世ヨーロッパでは、大抵、女性が洗濯をしていました。
そのため、共同洗面所には、洋服を持った女性がたくさん集まっていました。
そこで、世間話やゴシップ話がよくされていたそうです。
【中世ヨーロッパ】洗濯液または洗剤としては「灰汁」が使われた
中世ヨーロッパでは、基本的には、水洗いでジャバジャバ洗濯していました。
しかし、時には、灰を溶かした灰汁(あく)が洗剤として使用されました。
灰汁は、アルカリ性のため、衣服に付着した油脂を溶かすことができました。
中世ヨーロッパでは、このようにして洗濯が行われていました。
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:洗濯篇 -完-
果たして、あなたは本当に再び現代に帰ることができるのだろうか。
あなたは、臭いが消えた服を着て、女騎士と旅を続けた。
次話:風邪Death
尚、中世ヨーロッパを舞台とした作品を書きたい方は、以下1冊があると便利だと思います。
創作に役立つ中世ヨーロッパ知識