概要:中世ヨーロッパの歯磨きがどのように行われていたかについて一挙紹介!
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:歯ブラシ篇
ストーリーで学べる中世ヨーロッパとは
あなたは、ある日、現代から中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまう。
あなたの目的は、再び現代に帰ること。
あなたは、知識を身に付けながら過酷な中世ヨーロッパを生き抜く決心をする。
あなたは、中世ヨーロッパに来てから、ずっと歩き続けている。
疲れは、もう限界だ。
マルグリッド・オブ・ランカスター
長旅で疲れただろう。今日は此処に帳を立てよう
寝床に着こうとするあなたは、疑問に思う。
歯はどうやって磨けばいいのだろうかと。
尚、「ストーリーで学べる中世ヨーロッパ」シリーズについて最初から読みたい方は、以下記事を読んでみてください。
【中世ヨーロッパ】現代の歯ブラシの原型が登場するのは15世紀頃
現代の歯ブラシの原型と言える物は、15世紀頃、中国の皇帝が使い始めたとされています。※ヨーロッパが初出という説もある
当時の歯ブラシは、骨または木に豚の硬い毛を付けた物だったようです。
また、15世紀頃には、ヨーロッパにて、爪楊枝も登場しました。
【中世ヨーロッパ】爪楊枝は社会的ステータスを示す
15世紀頃には、貴族の間にて、爪楊枝の需要が増えていきました。
なぜなら、貴族は砂糖を口にしたためです。
そのため、歯のケアとして、爪楊枝が使われるようになりました。
尚、貴族たちは、社会的ステータスを示すために、しばしば、人前にて、宝石が付いた金属製の爪楊枝を使用していました。
事実、シェイクスピア作品には、これ見よがしに爪楊枝を使う貴族の姿が描写されています。
【中世ヨーロッパ】歯磨き粉の代わりに酢・ワイン・塩・炭が使われた
中世ヨーロッパの貴族たちは、歯磨き粉の代わりとして、酢・ワイン等を使っていました。
また、11世紀頃に書かれたとされる美容に関する論文「De Ornatu Mulierum」によれば、当時においても、白い歯が美しいとされていました。
そのため、ホワイトニングとして、歯に軽石・大理石等を砕いた粉末を塗っていたそうです。
尚、経済的に余裕がない庶民については、布に塩・炭をつけて、歯を磨いていました。
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ストーリーサイド
あなたは、歯ブラシがないことに戸惑う。
しかし、安心して欲しい。
あなたの側にいるのは、裕福な騎士様だ。
あなたは、酢・酒などがブレンドされた上質な歯磨き粉を貰えた。
あなたは、虫歯の恐怖を回避した。
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:歯ブラシ篇 -完-
果たして、あなたは本当に再び現代に帰ることができるのだろうか。
あなたは、とりあえず、歯を磨けたことに安堵して、しばし眠りについた。
次話:困難は足下から
尚、中世ヨーロッパを舞台とした作品を書きたい方は、以下1冊があると便利だと思います。