概要:中世ヨーロッパのチーズの歴史とチーズの作り方について一挙紹介!
- ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:チーズの歴史と作り方 篇
- 【中世ヨーロッパ】古代ギリシャには既にチーズがあった
- 【中世ヨーロッパ】修道院にてチーズが作られ始める
- 【中世ヨーロッパ】当時の代表的なチーズの種類一覧
- ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:チーズの歴史と作り方 篇 -完-
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:チーズの歴史と作り方 篇
ストーリーで学べる中世ヨーロッパとは
あなたは、ある日、現代から中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまう。
あなたの目的は、再び現代に帰ること。
あなたは、知識を身に付けながら過酷な中世ヨーロッパを生き抜く決心をする。
あなたは、晴天の下、騎士様と共に深い森の中を進む。
目指すは、王都ロンドン。
騎士様は、額に汗をかきながら黙々と歩き続けるあなたを気にかけているようだ。
騎士様は、馬上から、あなたに小さい包みを渡す。
マルグリッド・オブ・ランカスター
チーズだ。塩分の補給には丁度いいだろう
あなたは、騎士様から貰ったチーズを見て、戸惑う。
尚、「ストーリーで学べる中世ヨーロッパ」シリーズについて最初から読みたい方は、以下記事を読んでみてください。
【中世ヨーロッパ】古代ギリシャには既にチーズがあった
古代ギリシャには、 既にチーズがあったとされています。
ギリシャの長編叙事詩『オデュッセイア』には、チーズを作る様子が記述されていました。
その後、ローマ帝国時代になると、ローマ軍の遠征により、ヨーロッパ各地にチーズの作り方が伝播していきました。
とりわけ、肥沃な土壌・川・海に恵まれたフランスにおいては、様々なチーズが作られるようになりました。
また、山岳地帯が多いイタリアでは、長期保存に適したチーズが重宝されるようになりました。
【中世ヨーロッパ】修道院にてチーズが作られ始める
ローマ帝国が滅びた後は、修道院にて、チーズが作られるようになっていきました。
尚、当時のチーズの作り方については、大体、以下の通りとなります。
中世ヨーロッパ 一般的なチーズの作り方
- 生乳を加熱殺菌する
- 酵素(レンネット)を加えて、タンパク質を固める
- 乳清(ホエイ)が抜けたタンパク質の塊を攪拌する
- 塩を加える
- 熟成(タンパク質がアミノ酸に変わる)
※チーズの種類によって製法は異なります。
尚、酵素(レンネット)は、動物の胃袋にありました。
一説によれば、チーズの起源は、羊の胃袋から作った水筒に生乳を入れて持ち歩いたところ、偶然チーズが生成されたとも言われています。
中世ヨーロッパの修道院は薬草も作っていた
中世ヨーロッパの水筒はこんな感じ
【中世ヨーロッパ】当時の代表的なチーズの種類一覧
イタリアまたはフランスにて食べられていた有名なチーズとしては、以下の通りです。
中世ヨーロッパのチーズの種類①:ペコリーノ・ロマーノ
ペコリーノ・ロマーノとは、羊のミルクから作ったチーズのことです。
イタリア最古のチーズと言われるペコリーノ・ロマーノは、長期保存に向くようにするため、塩分が強めになっています。
見た目としては、豆腐のような白いプリン状になっています。
中世ヨーロッパのチーズの種類②:パルミジャーノ・レッジャーノ
パルミジャーノ・レッジャーノは、言わずもがな、イタリアの有名なチーズです。
パルミジャーノ・レッジャーノの特徴としては、長い熟成期間によって、水分が抜けているため、硬めになっています。
中世ヨーロッパのチーズの種類③:マロワール
マロワールは、フランスを代表する伝統と歴史を有する有名なチーズです。
名前の由来は、フランスのマロワール村の修道士が作ったためと言われています。
マロワールの特徴としては、見た目が独特なピンク色になっています。
尚、この他にも、様々な種類のチーズがありました。
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ストーリーサイド
あなたは、怪訝そうに、騎士様から貰ったチーズを見つめる。
現代のチーズとは違って、歪な見た目になっている。
あなたは、包みからポロポロとチーズをこぼしながら、ひとくち齧ってみる。
あなたの顔に自然と笑みが生まれる。
マルグリッド・オブ・ランカスター
ペコリーノ・ロマーノと呼ばれるチーズだ。普段、口にするにはしょっぱいが、旅には向いているだろう
あなたは、こくりと頷く。
中世ヨーロッパの食事風景
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:チーズの歴史と作り方 篇 -完-
塩分を補給して元気になったあなたは、もう少しだけ歩く気になった。
あなたは、騎士様の背中を見つめつつ、再び暖かい森の中を進んで行く。
次話:現代で言えば高級車
尚、中世ヨーロッパを舞台とした作品を書きたい方は、以下1冊があると便利だと思います。