概要:漫画・小説・ゲームなどファンタジー作品に登場する貴族の名前の法則/規則について一挙紹介!
ドイツ語圏では貴族の姓にVon(フォン)が使われることが多かった
ドイツ語圏では、中世初頭頃、しばしば、領主が領地の地名を名乗っていました。
また、地名を名乗る際、前置詞としてVon(フォン)が使用されました。
Von(フォン)とは、英語で言えば、Of(オブ)またはFrom(フロム)に相当します。
つまり、日本語にすれば、「〇〇(地名)の誰々」といった感じになります。
では、実際に有名なドイツ系の貴族の名前を見てみましょう。
ドイツ系貴族の名前 実例:カール・ヨーゼフ・フォン・エスターライヒ
彼は、神聖ローマ皇帝フランツ1世と皇后マリア・テレジアの間の子となります。
エスタライヒー(Österreich)とは、オーストリアのことです。
すなわち、オーストリアのカール・ヨーゼフということになります。
そのほかドイツ系貴族の名前については、以下の通りです。
名前にVon(フォン)を冠するドイツ系貴族一覧
- カール・ヴィルヘルム・フォン・フンボルト(1767 - 1835):言語学者
- フリードリヒ・フォン・シラー(1759 - 1805):詩人
- フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796 - 1866):医師
尚、Von(フォン)の後に続く地名は、必ずしも統治している地名を表していた訳ではありません。
先祖が統治していた地名が残っていることもしばしばありました。
※現在のドイツでは、Von(フォン)は一般的に使われる単語になっています。
ファンタジー作品に登場する貴族の名前にカッコいいドイツ語を使用したい方は、以下記事を覗いてみてください。
ドイツ系貴族の姓にはZu(ツー)も使われていた
ドイツ語圏では、Von(フォン)のほかにも、Zu(ツー)も貴族の姓として使われていました。
Zu(ツー)とは、英語で言えば、To(トゥー)に相当します。
名前にZu(ツー)を冠する貴族としては、以下の通りです。
名前にZu(ツー)を冠する貴族一覧
- ハインリヒ・ツー・メクレンブルク(1876 - 1934):軍人、貴族
- ヴィルヘルム・フリードリヒ・ツー・ヴィート(1876 - 1945):貴族
フランスでは貴族の姓に「de(ド)」が使われることが多かった
フランスにおいては、しばしば貴族の姓にde(ド)が使用されていました。
それでは、実際にフランス貴族の名前を見てみましょう。
フランス貴族の名前一覧表
- ユーグ・ド・リオンヌ(1611 - 1671):貴族、政治家
- ジル・ド・レ( 1405年頃 - 1440年):貴族、軍人
- ジャン・ポトン・ド・ザントライユ(1390年頃 - 1461):貴族、軍人
このように、フランス貴族の名前には、しばしばde(ド)が使用されました。
尚、中世ヨーロッパの人々の名前について気になる方は、以下書籍を見てみてください。
中世ヨーロッパの農村の暮らしだけではなく、当時の人々の名前についても学べます。
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