概要:中世ヨーロッパの馬の値段と庶民の年収について一挙紹介!
軍馬1匹の値段は庶民の年収の40倍!?
1300年頃のヨーロッパの軍馬の値段については、カリフォルニア大学デービス校によって発表されたレポート「Medieval Price List」によれば、以下の通りです。
軍馬1匹の値段:最大80ポンド(=1600シリング)
労働者の年収:最大2ポンド(=40シリング)
ハッキリ言って、庶民が馬を購入するのは難しかったと思われます。
現代風に言えば、年収300万のサラリーマンが1億2000万の家を購入するといった感じでしょうか……
だいぶキツいと思います。
当時の通貨単位
1ポンド=20シリング
1シリング=12ペンス
1ペニー=4ファージング
1マルク=13シリング4ペンス
※「Medieval Price List」より引用
尚、騎士・兵士の年収について興味がある方は、以下記事も見てみてください。
軍馬を所有できるのは貴族・領主ぐらいだった
軍馬の値段については、先ほど見た通り、非常に高価でした。
では、一体、誰が軍馬を購入できたのか?
結論から言えば、軍馬を所有できたのは、経済的に裕福だった貴族・領主ぐらいでした。
実際、騎士であれば、軍馬を購入できるようでした。
以下は、騎士の年収と軍馬の値段の対比です。
軍馬1匹の値段:最大80ポンド(=1600シリング)
騎士の年収:最大36ポンド(=720シリング)
つまり、騎士にとっての軍馬は、年収2年分相当の買物だったようです。
※「Medieval Price List」より算出
荷車用の馬であれば、庶民でも買える値段だった!?
軍馬の値段は、今まで見てきた通り非常に高価でした。
一方、軍事用に訓練された馬でなければ、値段はそこそこ安くなりました。
以下は荷車用の馬の値段と庶民の年収の対比です。
荷車用の馬1匹の値段:10~20シリング
労働者の年収:最大2ポンド(=40シリング)
つまり、庶民であっても、年収の半分くらい出せば、荷車用の馬くらいなら購入できるようでした。
とはいえ、年収の半分は、相当高価だと思います。
今で言えば、年収300万のサラリーマンが150万の新品の軽自動車を購入する感じでしょうか。
※「Medieval Price List」より算出
尚、当時の人々の生活について気になる方は、以下記事を見てみてください。
尚、中世ヨーロッパを舞台とした作品を書きたい方は、以下1冊があると便利だと思います。