概要:魔法・呪文・召喚術の詠唱に関するセリフの作り方について人気作品の詠唱例文を参考にしながら一挙紹介!
魔法・召喚術のコンセプトを決める
魔法・召喚術の詠唱セリフを作るにあたって最も重要となるのは、その魔法・召喚術のコンセプトだと思っています。
コンセプトとは、すなわち「その魔法はどんな魔法なのか」ということです。
例えば、氷に関する魔法ひとつとっても、コンセプトは下記の通り様々となります。
魔法・召喚術のコンセプト例
・相手を凍らせる魔法
・氷柱を飛ばして突き刺す魔法
・氷の壁を作って防御する魔法
・天候さえも変えてしまう魔法
このように、「火」「水」「雷」「氷」「風」とひとえに言っても、コンセプトによって、魔法の立ち位置も大きく変わります。
当然、魔法のコンセプトによって、詠唱のセリフ内容も大きく変わってきます。
そのため、魔法・召喚術を作る際は、コンセプト(その魔法はどんな魔法なのか)を決める事が重要になると思います。
尚、ゲーム『ヴァルキリープロファイル』の詠唱セリフは、非常に完成度が高いと思っています。
コンセプトを想起させる単語を使用する
魔法・召喚術のコンセプトが決まった後は、詠唱セリフの中に「そのコンセプトを想起させる単語」を含めると、分かりよい纏まった詠唱セリフになると思います。
では、実際に商業作品の詠唱セリフの例文を見てみたいと思います。
以下の詠唱セリフは、ゲーム『FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争』に登場する詠唱セリフとなります。
想定コンセプト:鋭い雷の一撃
まばゆき光彩を刃となして
地を引き裂かん! サンダー!
※黒魔法「サンダー」の詠唱より引用
想定コンセプト:死をもたらす魔法
命に飢えた死神達よ、汝らに
その者の身を委ねん… デス!
※黒魔法「デス」の詠唱より引用
このように、詠唱セリフの中に"コンセプトを想起させる単語"を含めることで、分かりよい魔法になると思います。
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尚、『Fate/Zero』に登場する詠唱セリフについては、特にカッコイイと思います。
奇跡を叶える『聖杯』の力を追い求め、七人の魔術師が七人の英霊を召喚し、
最後の一人になるまで戦いを繰り広げる究極の決闘劇……聖杯戦争。
その聖杯戦争の開幕に先駆けて、各地で参加者たちが選定が始まった。
8年前。ドイツにあるアインツベルン家の居城で、ひとりの女子の産声があがった。
イリヤスフィールと名付けられた娘を抱く父親・衛宮切嗣もその一人であった。
尚、『Fate/Zero』に登場する詠唱セリフについて気になる方は、以下記事も見てみてください。
言いやすさ、語感の良さを重視する手法
魔法・召喚術の詠唱セリフの中には、明らかに「言いやすさ」「語感の良さ」を意識したセリフが見られます。
テンポが良い詠唱セリフのメリットとしては、とりわけボイスが収録されるゲーム・アニメ・映画にて映える点だと思います。
例えば、以下の通りです。
語感の良さを意識した魔法・召喚術の詠唱セリフ例
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
※『Fate/Zero』の詠唱より引用
上記の詠唱セリフは、おそらく、意識的に押韻(同じ響きの音を置くこと)を利用していると思われます。
これにより、耳ざわりの良いフレーズになっていると思います。
実際、アニメでは、声優の方の技量も相まって、非常にテンポの良い詠唱となっていました。
リズム・音感を利用した詠唱セリフについては、リズム感の良い方は、非常に描きやすいと思います。
一方、リズム感に乏しい方は、基本的には、押韻(同じ響きの音を重ねる)を利用すれば、ある程度の語感の良さは担保できるかと思います。
尚、 詠唱セリフに使用するカッコイイ単語が思いつかない方は、カッコイイ難読漢字が纏められた以下書籍を参考にしてみてください。
基本に忠実に
魔法・召喚術の詠唱セリフを作る際は、先ほど見た通り、以下の要素を抑えておけば、それなりに纏まり良いものが作れるかと思います。
魔法のコンセプトを決める(例.鋭い雷の一撃)
魔法のコンセプトに沿った単語を使用する(例.まばゆき光彩を刃となして)
語感の良さ・テンポを意識して書いてみるのもアリ(例.押韻)
実際、自分においては、ゲーム制作の現場にて、大体このように文章を作成しています。
基本的には、上記点を意識すれば、無難に制作できるかと思います。
尚、詠唱セリフの書き方についてもう少し気になる方は、以下記事も見てみてください。
尚、魔法のエフェクトの描き方について興味がある方は、以下書籍がオススメです。
バトルに関するエフェクト全般の描き方について学べる書籍
▼本書の特徴
・火/水/雷/氷/土など魔法に関するエフェクトの描き方について学べる
・斬撃/衝撃波などバトルに欠かせないエフェクトの描き方についても学べる