概要:人気作品から学ぶ"天才キャラと頭脳戦の書き方"について一挙紹介!
頭脳戦の魅力について
漫画・アニメ・映画の人気要素の一つとして「頭脳戦」があります。
頭脳戦とは、一般的に言えば、勝利するために行われる巧妙な駆け引きのことを指します。
頭脳戦が人気の理由としては、裏をかいて出し抜く様子にカタルシスを感じられるためだと思われます。
そこで今回は、頭脳戦を描いた人気作品を分析することで、魅力的な天才キャラと頭脳戦の描き方について見ていきたいと思います。
尚、キャラクター全般の作り方について興味がある方は、以下記事も見てみてください。
頭脳戦の書き方①:ルールの穴を突く
頭脳戦を描いた作品では、しばしば、「金」または「命」を賭けたゲームが行われます。
しかし、このゲームのルールには、必ず抜け穴が用意されています。
例えば、以下の通りです。
漫画『ライアーゲーム』における頭脳戦「小数決ゲーム」のルール
- 少数決ゲームとは、少数派が勝つゲームのこと
- 22人の参加者はアンケートに対してYES/NOで答える
- 多数派に票を投じたプレイヤーは、脱落となる
- 投票は、最後の1人になるまで繰り返される
主人公の秋山は、この少数決ゲームの必勝法に気づきます。
それは、常に少数派となるように、チームを組むという方法です。
主人公の秋山は、「賞金を山分けすること」を条件にすることで、常に少数派となるように、密かにチームを組んでいました。
頭脳戦「少数決ゲーム」のルールの抜け穴
・少数決ゲームは、最後に残った1人しか勝てないゲームとなっています。
・当然、多くの参加者は、自分が勝つことしか考えていません。
・しかし、ゲームのルールには「仲間を作ってはいけない」というルールはありませんでした。
・つまり、少数決ゲームのルールの抜け穴は「チームで協力すること」にありました。
このように、頭脳戦を描く際は、ゲームのルールに抜け穴を用意しておくことが重要だということが分かります。
また、天才キャラクターを描く際は、そのゲームのルールの抜け穴に気づかせる必要があります。
これにより、頭がキレる人物として描くことができるかと思います。
尚、漫画『ライアーゲーム』は、頭脳戦の描き方が非常に上手い作品となっていました。
ある日突然送られてきた小包。その中には「おめでとうございます。あなたは10万分の1の確率をくぐりぬけ、ライアーゲームにエントリーされました」という手紙と、現金1億円が同封されていた。それがライアーゲームのスタートだった。30日後のゲーム終了日に、自分の所持金1億円を返還する。ルールはそれだけ。首尾よく対戦相手の所持金を奪うことのできた勝者は1億円を手にし、敗者は1億円の負債を背負う…。誰を信用すべきなのか、誰を信用してはいけないのか…。大金を前に揺れ動く、人間心理を描破した問題作!
頭脳戦の書き方②:ハッタリを使う
頭脳戦を描いた作品では、しばしば、ハッタリが使用されます。
例えば、以下の通りです。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』における頭脳戦の書き方
- 主人公は、ダービーというギャンブラーと命を賭けたポーカーを行います
- ダービーは、主人公の手札にブタが配られるようにイカサマを行います
- しかし、主人公は平然と全チップを賭けて、勝負に出ます
- ダービーは、その強気ぶりに動揺して、遂に勝負から降りてしまう
このように、頭脳戦を描いた作品では、しばしば、ハッタリが使用されます。
頭脳戦におけるハッタリの役割
頭脳戦におけるハッタリは、駆け引きの要素として機能しています。
なぜなら、本来であれば、明らかな不利な状況であるのに、強気または平然とした態度を取られることで、「ひょっとすると……」という迷いが生じるためです。
迷いが生じることによって、駆け引きが生まれます。
天才的なキャラクターは、時には人間の心理を突いて、勝利をもぎ取っていきます。
尚、バトルシーンの作り方について興味がある方は、以下記事も見てみてください。
頭脳戦の書き方③:裏の裏をかく
頭脳戦を描いた作品では、しばしば、裏の裏をかく様子が描かれています。
例えば、以下の通りです。
漫画『賭博黙示録カイジ』における頭脳戦の書き方
- 主人公カイジは、地下労働施設にて行われる賭博「チンチロ」に参加する
- しかし、負けて、全財産を失ってしまう
- 主人公カイジは、ある事に気づく
- サイコロの出目が「四」「五」「六」のどれかしか出ていないことに
- 主人公カイジは、再びチンチロに挑み、サイコロをすり替えることで勝利する
このように、頭脳戦を描いた作品では、裏の裏をかくことで、駆け引きを作っていることが分かります。
また、天才キャラクターは、いち早く相手の企みに気づき、その裏をかくように行動します。
尚、『賭博黙示録カイジ』では、ことギャンブルにおいては異常な強さを発揮する主人公の姿の活躍が描かれている作品となっています。
「限定ジャンケン」「電流鉄骨渡り」「Eカード」――。前代未聞の方法でくりひろげられる人間総力戦、修羅場勝負の数々。これがギャンブルだ!
おまえたちは、負け続けてきたから、貧窮し、ウジウジと、人生の底辺を、這って這って這って、這っているのだ……!限定ジャンケン……!限定と聞いて、すぐ、ある予感が走った。この勝負、運否天賦じゃない。おそらくは愚図が堕ちていく。勝つのは、智略走り、他人出し抜ける者……!
頭脳戦の書き方④:用意周到に計画を用意する
頭脳戦を描いた作品に登場する主人公は、しばしば、勝負の前に用意周到に計画を用意しています。
例えば、以下の通りです。
海外ドラマ『プリズンブレイク』における頭脳戦の書き方
- 主人公マイケル・スコフィールドは、銀行強盗の容疑にて、脱獄不可能とされるフォックスリバー刑務所に収監される
- しかし、フォックスリバー刑務所に収監されることこそ狙いだった
- 主人公スコフィールドは、フォックスリバー刑務所に収監されていた兄貴を助けるために、身体全身に刺青として刑務所の設計図を描いていた
このように、頭脳戦を描いた作品では、用意周到に練られた計画を用意することで、相手を出し抜くための駆け引きを作っています。
まとめ
最後にまとめです。
天才キャラと頭脳戦の書き方のコツとしては、以下の通りでした。
①:ルールの穴を突く
②:ハッタリを使う
③:裏の裏をかく
④:用意周到に計画を用意する
ぜひ創作する際に参考にしてみてください。
尚、ストーリーの作り方について興味がある方は、以下書籍がオススメです。
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