概要:現役ゲームプランナーの視点から「商業ゲーム1本の開発期間」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
ゲーム会社のゲーム1本の開発期間はどれくらい
結論から言うと、1年半~3年くらいは掛かる感じです。
つまり、新卒にてゲーム会社に入社した場合、新卒3年目にてようやくゲーム1本の開発実績を得られるといった具合です。
CEDEC「ゲーム1本の開発期間は平均16ヶ月」
CEDEC運営委員会によってゲーム開発者を対象として実施された2015年のアンケート結果によれば、「ゲーム1本の開発期間は平均16ヶ月」ということでした。
詳細については、以下の通りです。
■ゲーム1本の開発/運営に従事している期間はどれくらいですか?
3ヶ月以下 4.3%3ヶ月超6ヶ月以下 14.0%
6ヶ月超12ヶ月以下 46.3%
12ヶ月超18ヶ月以下 11.0%
18ヶ月超24ヶ月以下 15.9%
24ヶ月超36ヶ月以下 1.8%
36ヶ月超42ヶ月以下 1.2%
42ヶ月超48ヶ月以下 1.8%
48ヶ月超54ヶ月以下 0.0%
54ヶ月超60ヶ月以下 3.0%
60ヶ月超 0.6%
平均期間:16.2ヶ月
参考文献:ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2015
ゲーム1本の平均開発期間は、1年半みたいですね。
実際に現場にて働いている感覚としても大体そんな感じだと思います。
大規模ゲーム開発の場合はもう少し時間が掛かる
例えば、『FF』『ドラクエ』『モンハン』といった超大型タイトルです。
こういった大規模ゲーム開発の場合、発売までに3年以上かかるとかはザラですね。
アンケート結果を見てもらえれば、分かると思います。
■ゲーム1本の開発/運営に従事している期間はどれくらいですか?
3ヶ月以下 4.3%3ヶ月超6ヶ月以下 14.0%
6ヶ月超12ヶ月以下 46.3%
12ヶ月超18ヶ月以下 11.0%
18ヶ月超24ヶ月以下 15.9%
24ヶ月超36ヶ月以下 1.8%
36ヶ月超42ヶ月以下 1.2%
42ヶ月超48ヶ月以下 1.8%
48ヶ月超54ヶ月以下 0.0%
54ヶ月超60ヶ月以下 3.0%
60ヶ月超 0.6%
極端に長い開発期間がありますよね。
こういった開発期間が長いゲームは、基本的に「AAAタイトル」だと思います。
もしくは、長期運営をしていたオンラインゲームとかでしょうね。
有名タイトルは基本的に開発期間が長い
実体験として、ほぼ間違いないと思います。
もし有名タイトルの開発に携わりたい方がいれば、少なくとも3年くらいは1本のゲームに向き合うことになると思ってもらった方がいいですよ。
なぜゲーム開発の期間はこんなに長いのか
理由は、以下の通りです。
1本の商業ゲームを開発するのには大体1年半~3年くらい掛かります。
— わたなべ りょう@GamePlanner (@Studio_Creeat) August 15, 2021
なぜ、そんなに時間が掛かるかというと、実装する量が多いからですね。ステージ1つ作成するだけでも、木、草、崖、海、家など、色々な物を作る必要がある感じです。調整・バグチェックも含めると、膨大な時間が掛かります。
1本の商業ゲームを開発するのには大体1年半~3年くらい掛かります。
なぜ、そんなに時間が掛かるかというと、実装する量が多いからですね。ステージ1つ作成するだけでも、木、草、崖、海、家など、色々な物を作る必要がある感じです。調整・バグチェックも含めると、膨大な時間が掛かります。
終わらないバグ修正と調整
バグは、基本的に修正しても修正しても出てきます。
一つの実装物につき、30~40個のバグ報告とかザラですね。
バグ修正対応に追われるのは、けっこうキツイですよ。
調整もけっこう時間が掛かります。
武器アクション1本つくるだけでも、数ヶ月単位の時間は掛かる感じです。
ゲームの開発期間は長いので覚悟する必要あり
ゲーム会社に入社した後は、いずれかのタイトルに配属されます。
いちど配属されると、基本的にはゲーム開発が終了するまで、ずっと同じタイトルを作り続けることになります。
つまり、1年半~3年くらいは1本のゲームを作り続けることになる感じです。
途中で「別のゲームを作りたい」と思っても、基本的には開発が終わるまでは抜けられないので、覚悟が必要ですね。
抜ける場合は、辞めるしかないかなと。
とはいえ、ゲーム開発は楽しいので、そこまで心配する必要はないですよ。
確かに、慣れない頃は大変だと思います。
でも、慣れてくれば、ゲーム開発ほどおもしろい仕事もないかなと思いますね。
今回はこんな感じで終わりたいと思います。
尚、ゲーム業界にて就職活動をする前に知っておいて欲しいことをまとめた書籍を作ったので、ぜひ見てください。