概要:現役ゲームプランナーの視点から「アクションゲームのフレームレート」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
ゲーム業界でよく使われる「フレームレート」とは
FPS(Frames Per Second=フレーム毎秒)の略のことです。
簡単に言えば、「1秒あたりに何コマ描画されているか」ということですね。
フレームレート=パラパラ漫画
パラパラ漫画って、コマ数が多ければ多いほど、滑らかに綺麗に見えますよね?
ゲーム・アニメ・映画も同じです。
1秒間に描画されるコマの数が多ければ多いほど、それだけ綺麗に見えます。
例えば、以下の通りです。
■ヒロインの髪が風に揺れるシーン
30FPSの場合:ヒロインの髪が1秒間に30コマ描画される
60FPSの場合:ヒロインの髪が1秒間に60コマ描画される
144FPSの場合:ヒロインの髪が1秒間に144コマ描画される
240FPSの場合:ヒロインの髪が1秒間に240コマ描画される
といった感じですね。
当然、1秒間に描画されるコマ数が多ければ多いほど、揺れる髪の毛1本1本の動きまで丁寧に描画される感じです。
逆に言えば、1秒間に描画されるコマ数が少なければ少ないほど、どうしても絵の間が飛んでしまった見た目になってしまいます。
具体的には、以下の通りです。
※引用元:NVIDIA GeForce Japan 公式チャンネルより
※動画 01:35~01:46秒
家庭用ゲームは基本的に30FPS~120FPS
各ハード毎によって描画できるコマ数の上限は、異なります。
具体的には、以下の通りです。
PS3:30FPS
PS4:60FPS
PS5:120FPS
高性能ゲーミングPC:144FPS~
といった感じですね。
基本的には、ハード性能以上にFPSを上げることはできません。
尚、60FPSを出せるハードだからと言って、必ずしも60FPSを出せるわけではないです。
ハード性能に合わせてソフトを作らなければいけない
例えば、PS4にて60FPSを出したい場合、ゲームも60FPSに合わせて開発しなければならないです。
もし、固定フレームレート30にて開発した場合、PS4でも30FPSしか出ない感じです。
新型ハードが出ると、旧作リマスター版が販売されるようになるのは、こういった背景があるからですね。
固定フレームレートと可変フレームレート
ゲームにおけるフレームレートには、一般的に2種類あります。
— わたなべ りょう@GamePlanner (@Studio_Creeat) August 17, 2021
・固定フレームレート(CFR):1秒間に描画される大よそのコマ数が決まっている。30FPS固定であれば、大よそ30FPS。
・可変フレームレート(VFR):シーンによって1秒間に描画されるコマ数が可変する。30FPSの時もあれば、60FPSの時も。
ゲームにおけるフレームレートには、一般的に2種類あります。
・固定フレームレート(CFR):1秒間に描画される大よそのコマ数が決まっている。30FPS固定であれば、大よそ30FPS。
・可変フレームレート(VFR):シーンによって1秒間に描画されるコマ数が可変する。30FPSの時もあれば、60FPSの時も。
固定フレームレートの特徴
プログラム処理が複雑になりにくいと思います。
1秒間に60コマ分移動するだけなので、どの環境でも基本的には一定の移動量になるはずです。
可変フレームレートの特徴
動きが少ない平時は低いFPSにすることで、描画処理の負担軽減等を図ることができます。
一方、戦闘シーンなど激しい動きが伴う場面では、高いFPSにすることで滑らかに見せることができる感じですね。
モニターのリフレッシュレートも気にする必要あり
先ほど見てもらった通り、ゲームにて60FPSを出す場合は、次の2点が必要でした。
①ハード性能的に60FPSが出せる
②60FPSに合わせてソフトが開発されている
でも、実はこれだけではまだ60FPSは出せません。
映像を映し出すモニターの性能(リフレッシュレート)も60FPS対応の製品でなければならない感じです。
つまり、60FPSを出そうと思った場合、次の三点が必要になります。
- 60FPSのゲーム機
- 60FPSのゲームソフト
- 60FPS対応のモニター
これでようやく60FPSで遊べる感じです。
アクションゲームのフレームレートの考え方
最後にもう一度まとめておきますね。
・フレームレートとは、FPS(Frames Per Second=フレーム毎秒)の略のこと
・FPS=1秒間あたりに何コマ描画されているか
・60FPS=1秒間あたりに大よそ60コマ描画されている
・60FPSを出す場合、60FPSのゲーム機/60FPSのゲームソフト/60FPSのモニターが必要
アクションゲームにおけるフレームレートの理解については、ざっくりこんな感じかなと思います。
もちろん、本当は複雑です。
でも、基本的な理解はこんな感じで良いかなと思います。
アクションゲームについて更に勉強したい方へ
アクションゲームの作り方について興味がある人は、コレを読むとイイですよ。
基本的な考え方が載っているので、けっこう役に立つかなと。
もし、参考書を見ても分からない場合は、TechAcademy 無料体験 で勉強するのもありですね。
ゲーム開発コースがあるので、基礎だけ教えてもらえば、参考書の理解も捗るかと思います。
今回はこんな感じで終わりたいと思います。