概要:現役ゲームプランナーの視点から「ゲームにおけるテクスチャとマテリアルの違い」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
ゲームにおけるテクスチャとマテリアルの違い
結論から言えば、以下の通りです。
・テクスチャ=オブジェクトに貼り付ける模様のこと
・マテリアル=オブジェクト全体の質感等について設定するデータのこと
ちょっと分かり辛いので、1個ずつ解説しますね。
ゲームにおけるテクスチャの意味/役割
テクスチャとは、簡単に言えば、画像ファイルのことです。
オブジェクト(物体)にテクスチャ(画像)を貼り付けることで、模様を作成することができます。
例えば、以下の通りです。
鉄球を作成する場合
こんな感じですね。これで銀の球体を作ることができました。
でも、球体に銀色の画像を貼り付けただけでは全然リアルな鉄球には見えません。
なぜなら、メタル感/反射といった質感がないからですね。
このままでは、ツンツルテンの銀色の球体です。
そこでマテリアルです。
ゲームにおけるマテリアルの意味/役割
マテリアルとは、簡単に言えば、「ざらつき」「つや消し」「メタル」など物体の質感を指定するデータのことです。
例えば、以下の通りです。
どうでしょうか?
さっきよりは鉄球っぽく見えるかなと思います。
なぜなら、銀色の球体に「メタル」「反射」属性の質感データを指定したためです。
質感を調整しないとリアルっぽく見えない
オブジェクト(物体)にテクスチャ(画像)を貼り付けただけでは、基本的にリアルに見えないです。
なぜなら、陰影/反射/ザラツキ/汚れといった質感がないためです。
だから、マテリアルデータを作成する感じです。
ゲームにおけるテクスチャとマテリアルの使い分け
テクスチャとマテリアルの違いについて、もういちど簡単にまとめておきますね。
・テクスチャ=オブジェクトに貼り付ける模様のこと
・マテリアル=オブジェクト全体の質感等について設定するデータのこと
大体こんな感じですね。
マテリアルデータをつける前に3DモデルのUV展開をする
UV展開とは、簡単に言えば、モデルの展開図を用意するイメージです。
例えば、飛行機のモデルは、ざっくり次の通り分解できると思います。
①頭
②胴体
②左翼
④右翼
⑤尻尾
このように、パーツごとに分けることで、それぞれのパーツ毎に専用のマテリアルデータを設定することができます。
なぜUV展開しないいけないのか?
飛行機まるまる1個の色/質感を作るのは難しいからですね。
パーツ毎に分けて作った方が管理しやすいからだと思います。
UV展開はどうやってするの?
『Maya』『Blender』といったツールを使えば、UV展開することができる感じですね。
モデリングについて深く勉強したい方は、この本を読んでおくとイイですね。
ゲームにおけるシェーダーとは
マテリアルデータを作成するプログラム処理のことです。
『Maya』『Blender』など各モデリングソフトには、シェーダーと呼ばれる機能が導入されています。
このシェーダーを使うことで、画像に陰影をつけたり凹凸をつけたり質感を調整することができる感じです。
テクスチャ・マテリアル・シェーダーの違い
最後にもう一度まとめておきますね。
・テクスチャ=オブジェクトに貼り付ける模様のこと
・マテリアル=オブジェクト全体の質感等について設定するデータのこと
・シェーダー=マテリアルデータを作成するためのプログラム処理
基本知識は、以上です。
これくらい分かっていれば、OKです。
ゲームの作り方について更に勉強したい方へ
ゲームの作り方について興味がある人は、コレを読んでおくとイイですよ。
基本的な考え方が載っているので、けっこう役に立つかなと。
もし、参考書を見ても分からない場合は、TechAcademy 無料体験 で勉強するのもありですね。
ゲーム開発コースがあるので、基礎だけ教えてもらえば、参考書の理解も捗るかと思います。
今回はこんな感じで終わりたいと思います。