概要:現役ゲームプランナーの視点から「高難度死にゲーの魅力」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
高難度死にゲーの魅力とは
ゲームプランナーの視点から言えば、以下の通りです。
死にゲーの魅力は、一言で言えば、「死闘を乗り越えた時の達成感」だと思っています。もっと嚙み砕いて言えば、「今まで何度も負けた強敵を倒した時の嬉しさ」とか「何度挑んでもクリアできなかったステージをクリアできた嬉しさ」といった感じです。ゲームデザインのコアは、ここら辺かなと。
— わたなべ りょう@GamePlanner (@Studio_Creeat) September 3, 2021
死にゲーの魅力は、一言で言えば、「死闘を乗り越えた時の達成感」だと思っています。もっと嚙み砕いて言えば、「今まで何度も負けた強敵を倒した時の嬉しさ」とか「何度挑んでもクリアできなかったステージをクリアできた嬉しさ」といった感じです。ゲームデザインのコアは、ここら辺かなと。
簡単にクリアできないからこそ達成感がある
高難度アクションゲームをプレイしていて、簡単にボスを倒せてしまったら歯ごたえないですよね?
10回死んで11回目にようやくギリギリ倒せるからこそ、倒した時の達成感が強いのだと考えています。
つまり、死にゲーのゲームデザインは、以下に収斂されると思います。
■死にゲーのゲームデザイン
死闘⇒達成感⇒更なる死闘⇒達成感⇒より更なる死闘(以下ループ)
死にゲーは理不尽であってはならない
ただ、難しくすればいいというわけではないです。
高難度と理不尽の違いは、以下の通りです。
高難度=ゲームオーバーした際に落度は自分にあったと納得できるレベルデザイン
理不尽=ゲームオーバーした際に納得できないレベルデザイン
例えば、3Dアクションゲームにて、ドラゴンと戦っている際、予兆もなく急に炎を吐いてきてゲームオーバーとかは理不尽ですね。
炎を吐くのであれば、キチンと炎を吐く予兆を見せないといけないです。
「予兆を見せたのに回避できない=自分のプレイングが未熟」と納得もしやすいと思います。
死にゲーはイライラさせないための工夫も必要
死にゲーというと、すぐゲームオーバーになりがちです。
ただ、ゲームオーバーの持って行き方によっては、ユーザーにストレスを掛けてしまいます。
例えば、以下の通りです。
死にゲーにおけるイライラ要素の具体例
・狭い一本道にて戦いを強いられた結果、落下死してしまった
・一気に敵が出て来て、何もできないまま倒されてしまった
・敵の移動速度が速すぎてターゲットカメラが外れたせいで死んでしまった
どれも些細に見えると思います。
でも、実際にプレイしてみると分かると思います。
こういったゲームオーバーは、けっこうストレスが溜まりますよ。
アクションゲームを開発する際は、できる限りプレイングの支障となる要因を省かなければなりません。
死にゲーはどうやって「死闘」を生んでいるのか
読み合いですね。
すなわち、シビアな駆け引きを用意することで、死闘を生んでいます。
例えば、大剣を担いだ人型のボスモンスターと戦う場合、次の駆け引きを入れることができるかなと思います。
・大剣による強力な溜め攻撃を振り下ろしてくる
・でも、そのぶん隙が大きい
・回避して敵の懐に潜りこむことで攻撃することができる
こんな感じですかね。
回避に失敗して剣に当たれば、死にそうになります。
でも、上手く回避に成功すれば、ガンガン攻撃を当てることができます。
死にゲーでは「読み合い⇒結果⇒読み合い⇒結果」にて死闘を生んでいる感じです。
結局、死にゲーは何が面白いのか
最後にもう一度まとめておきますね。
死にゲーの魅力は、以下の通りです。
死にゲーの魅力=死闘を乗り越えた時の達成感
死闘=「読み合い」すなわち「駆け引き」が生む体験
ゲーム開発に興味がある人へ
これからゲームを作ろうと思っている方は、Unity2020入門もしくはUnreal Engine 4で極めるゲーム開発を読んでおくとイイと思います。
開発現場では、基本的に「Unity」もしくは「Unreal」と呼ばれるゲームエンジンを使っているので、勉強しておくと役に立ちますよ。
今回はこんな感じで終わりたいと思います。