概要:現役ゲームプランナーの視点から「三点リーダー(……)の使い方とルール」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
そもそも三点リーダーとは
簡単に言えば、以下の通りです。
・三点リーダーとは「……」のこと
・使用する際は基本的に「…」ではなく「……」と偶数になるように点を並べる
・効果としては人間の機微を表現する
小説・ラノベにおける三点リーダーは基本的に偶数個
例えば、以下の通りです。
・「また未来が見えた……」
・「あのな、あいつの予報、でたらめだからさ……」
上記文章は、小説『さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)』における会話の一節です。
このように、小説・ラノベでは基本的に偶数個になるように三点リーダーが打たれています。
なぜ小説・ラノベの三点リーダーは偶数個なのか?
結論から言えば、出版業界における通例だと思われます。
つまり、"きまりのようになって行われている習わしの一種"だと考えられます。
明確な理由については、特に明言明記されていないようです。
漫画・ゲームにおける三点リーダーは奇数の場合もある
なぜなら、UI上に表示できる文字数に上限が設定されているためです。
例えば、以下の通りです。
引用元:PlayStation Japan
テキストウィンドウが出ていますよね?
このテキストウィンドウに表示できる文字数には上限が設定されています。
「…」は1文字として、「……」は2文字として、カウントされてしまいます。
ゲームでは、文字数が増えてしまうため、意図的に「…」だけで表現することがあります。
漫画はフキダシの制限がある
フキダシの枠内にセリフをまとめる必要があるので、基本的に「…」だけで済ませている作品が多いですね。
三点リーダーがもたらす心理効果
三点リーダーは、表面上は分かりにくい心の微細な動きを表現する効果があります。
具体的には、以下の通りです。
・言い淀み(例.「いや、別に……」)
・不安(例.「何も起こらないといいけど……」)
・動揺(例.「えっ……」)
・偽り(例.「別に好きじゃねえし……」)
こんな感じですね。
三点リーダーを利用することで、言外の意味を持たせることができる感じです。
ペラペラ喋らせるより、末尾に「……」とつけて早々に切り上げた方が効果的な場面もあります。
小説・シナリオに興味がある方へ
エンタメ作品における基本的な文章の書き方について学びたい方は、この書籍を読むとイイですよ。
▼本書の特徴
・プロの小説家から"小説の書き方全般"について学べる
・"会話の書き方"について深く学べる
三点リーダーの入力方法
具体的には、以下の通りです。
Windows/macにおける三点リーダーの打ち方
- 全角にてShiftキーの左から3番目の「・」を3回押す
- ・・・と入力してから変換する
- 予測変換に「…」が表示される
Android/iphoneにおける三点リーダーの打ち方
- 「てん」と入力する
- 予測変換に「…」が表示される
- 機種によっては予測変換に出てこない可能性あり
三点リーダーは地の文でも会話文でもどっちでも使ってOK
例えば、以下の通りです。
・「いや、何でもないよ……」
・この後に起きる悲劇をまだ誰も知る由はなかった……
基本的には、地の文でも会話文でもどっちでも使用されます。
どういう雰囲気を出したいかによって、付ける付けないの判断をすればいいと思います。
通勤通学中にテキストを書きたい方へ
キングジムから出てるポメラは、画面を開くだけで簡単に文章を書けるようになっているので、スキマ時間にイイですよ。
三点リーダーの使い方とルール
最後にもう一度まとめておきますね。
・三点リーダーとは「……」のこと
・小説では基本的に偶数個になるように使用される
・ゲームでは文字数上限の観点から奇数個になることもある
・効果としては人間の機微を表現する