概要:現役ゲームプランナーの立場から「アクションゲームと成長要素の関係」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
アクションゲームに成長要素は入れた方がいいのか?
結論から言うと、目指しているゲームの方向性に依ると思います。
具体的には、以下の通りです。
純粋に腕前だけ競うアクションゲームを作りたい場合:成長要素は不要
時間を掛ければ強くなれるアクションゲームを作りたい場合:成長要素は必要
アクションゲームの大枠の方向性は、ざっくり上記2種類に分けられると思います。
どっちの方向性を目指すかによって「成長要素を入れるかどうか」も変わってくると感じています。
個別具体的に解説していきますね。
尚、アクションゲームの開発についてもう少し勉強したい方は、以下の記事も見てみてください。
純粋に腕前だけ競うアクションゲームには成長要素は不要
成長要素がないということは、"ゲームにおける勝敗はプレイヤーの腕前による"ということになります。
パラメータ等による格差などはないため、極めてフラットに近い状態と言えます。
例えば、『ストリートファイター5』『サムライスピリッツ』といった格闘ゲームには、Lv/パラメータ/武器といった成長要素に繋がるシステムは入っていません。
つまり、プレイヤーの腕前だけ競うアクションゲームを志向していると考えられます。
成長要素がないアクションゲームは平等
例えば、1000時間プレイしているユーザーと100時間しかプレイしていないユーザーが対戦したとします。
もし、成長要素があるアクションゲームであれば、当然1000時間プレイしているユーザーの方が圧倒的に強いはずです。
しかし、成長要素を省いているアクションゲームでは、純粋にアクションが上手い方が勝つだけです。
成長要素がないアクションゲームでは、平等である一方、"平等ゆえの差"も出やすくなってしまいます。
つまり、腕前が良い人と戦っても勝てないということです。
ただ、上記問題についてはランク毎にマッチングさせる「ランクマッチ」を導入すれば、解決できる問題とはなります。
時間を掛ければ強くなれるアクションゲームには成長要素は必要
純粋に腕前だけ競うゲーム性にすると、どうしても付いて来れないユーザーが出て来てしまいます。
そのため、アクションゲームでは、基本的に成長要素を入れることが多いです。
具体的には、以下の通りです。
・レベルアップすることでステータスが上がる
・武器を強化することでダメージが上がる
・防具を強化することで被ダメージが下がる
成長要素があるアクションRPGゲームでは、時間を掛ければ掛けるだけ強くなれるので、アクションが苦手なユーザーでも楽しめるようになっています。
今まで倒せなかった敵も簡単に倒せるようになるはずです。
逆に言えば、腕前が良ければ、成長させなくても敵を倒せるので、ライトユーザーもヘビーユーザーも楽しめる設計と言えます。
ただ、格ゲーに成長要素を入れるのは危険かも
格ゲーでも成長要素を入れれば、ライトユーザーも楽しめるようになると思います。
なぜなら、時間を掛ければ、強くなるためです。
しかし、腕前だけ競いたいガチのヘビーユーザーの場合、あまり楽しめない可能性が出てきてしまいます。
アクションゲームに成長要素を入れるかどうか
最後にもう一度まとめておきますね。
アクションゲームに成長要素を入れるかどうかは、そのゲームが目指している方向に合わせて判断した方が安全だと思います。
純粋に腕前だけ競うアクションゲームを作りたい場合:成長要素は不要
時間を掛ければ強くなれるアクションゲームを作りたい場合:成長要素は必要
ぜひ参考にしてみてください。
尚、企画書の書き方について興味がある方は、ぜひ自著を参考にしてみてください。
将来的にゲームクリエイターをめざしている方へ
ゲームクリエイターとしての制作スキルを身に付けたい方は、専門学校で勉強しておくと良いですよ。
ゲームプランナー/デザイナー/プログラマーなど業務に必要となる知識について実践的に学べるので。
アミューズメントメディア総合学院 は、ゲーム業界でも卒業生の方が多いので、進路先の候補として良いかなと思います。
それでは、今回はこんな感じで終わりたいと思います。