概要:現役ゲームプランナーの立場から「アクションゲームが苦手とされる理由」について考察!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
なぜ「アクションゲームは苦手」と言われてしまうのか?
ゲームユーザーの中には「アクションゲームは苦手」という方もいるかと思います。
でも、なぜ苦手なのでしょうか?
理由は、以下の通りです。
・3D空間上にて距離感を把握するのは難しいため
・反射神経が求められやすいため
・タイミングを見極める必要があるため
アクションゲームが苦手な方は、言い換えれば、上記要素のせいで難しいと感じているのだと思います。
ゲームプランナーとして一個ずつ解説していきますね。
3D空間上にて距離感を把握するのは難しい
"3D空間上にて武器を振って当てる"というだけでも、求められるアクションの難易度としては実は高いんですよ。
アクションゲームに慣れている方にとっては意外と思われるかもしれません。
でも、3D空間上にて武器を当てるには、X軸Y軸Z軸を意識しなければならないため、慣れていない方にとっては当てるだけでも難しいと感じるはずです。
ゲームによっては敵が素早く動き回るため、武器を当てる難易度は更に上がります。
反射神経が求められやすいため
アクションゲームは、数あるジャンルの中でも比較的に反射神経が求められやすいゲームジャンルです。
反射神経が求められるということは、求められるアクションの難易度が上がるということです。
例えば、以下2種類のゲームを用意した場合、どっちのゲームの方が幅広い年代に遊んで貰いやすいでしょうか?
① ターン形式のコマンドバトルRPGゲーム
② 次々と出てくるゾンビを倒して進むシューティングゲーム
おそらく①の方がターゲットの幅は広いはずです。
なぜなら、シューティングゲームのように素早い反射神経は求められないからです。
迫り来るゾンビの額を目がけて銃弾を放つといった操作は、そこそこ反射神経が求められるため、求められるアクションの難易度も高いものとなります。
そのため、ターゲットのレンジも狭くなってしまいます。
逆に言えば、ターン形式のRPGのように、反射神経があまり必要とされないゲームであれば、求められるアクションの難易度は0に等しい(ボタンを押すだけとなる)ため、多くの人に遊んで貰いやすいと言えます。
タイミングを見極める必要があるため
「アクションゲームは苦手」と言われてしまう理由は、"距離感""反射神経"だけではないです。
"タイミングを見極める"という判断は、求められるアクションの難易度が上がります。
先ほどの例で言えば、どちらのゲームの方が難しそうでしょうか?
① ターン形式のコマンドバトルRPGゲーム
② 次々と出てくるゾンビを倒して進むシューティングゲーム
基本的には②のシューティングゲームの方が難しいと言えます。
なぜなら、タイミングを見極めて、瞬時に「攻撃」「防御」「回避」「アイテム」といった出し分けをする必要があるからです。
ターン形式のコマンドバトルRPGゲームであれば、別に瞬間的にタイミングを見極めるといったことはないと思います。
アクションゲームが苦手とされる理由
最後にもう一度まとめておきますね。
アクションゲームが苦手とされる理由は、以下の通りです。
・3D空間上にて距離感を把握するのは難しいため
・反射神経が求められやすいため
・タイミングを見極める必要があるため
逆に言えば、アクションゲームが苦手という方でも楽しんで貰えるようにするためには、上記の要素を緩和する必要があるかなと思います。
実際、ゲームによっては、アクションゲームが苦手な人でも楽しめるように「攻撃判定について武器の見た目以上に大きくしてあげる」「敵が攻撃してくる前の予兆について少し長めにする」といった工夫を取っているゲームもあります。
尚、ゲームプランナーのゲームデザインの方法について興味がある方は、ぜひ自著も読んでみてください。
将来的にゲームクリエイターをめざしている方へ
ゲームクリエイターとしての制作スキルを身に付けたい方は、専門学校で勉強しておくと良いですよ。
ゲームプランナー/デザイナー/プログラマーなど業務に必要となる知識について実践的に学べるので。
アミューズメントメディア総合学院 は、ゲーム業界でも卒業生の方が多いので、進路先の候補として良いかなと思います。
それでは、今回はこんな感じで終わりたいと思います。