概要:現役ゲームプランナーの立場から「アクションゲームの状態異常の作り方」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
アクションゲームの状態異常の作り方
方法は3つあると思います。
具体的には、以下の通りです。
・パラメーターに関する状態異常
・立ち回りが変わる状態異常
・ネタとしての状態異常
パっと思いつく限りはこんな感じですかね。
実際に『モンハン』などのアクションゲームでも状態異常は作ってきましたので、考え方としては間違っていないかなと思います。
1個ずつ解説していきますね。
尚、ゲームのデザイン方法について興味がある方は、以下の記事も読んでみてください。
状態異常の作り方①:パラメーターに関する状態異常
イチバン実装しやすい状態異常は、パラメーターに関する状態異常になると思います。
例えば、以下の通りです。
移動速度ダウン:移動速度が一定時間ダウンする
攻撃力ダウン:攻撃力が一定時間ダウンする
防御力ダウン:防御力が一定時間ダウンする
アクションゲームにて広く一般的に見られる状態異常ですね。
パラメーターに関する状態異常は、簡単に実装しやすいうえに種類も出しやすいので、ゲームのボリュームを出すのに役に立つ感じです。
全部が全部、ほかのゲームにはない目新しい状態異常を作ろうとする必要はないと思います。工数が爆裂するので。
状態異常の作り方②:立ち回りが変わる状態異常
アクションゲームの魅力の一つとして「駆け引き」があります。
駆け引きとは、"自分が置かれている状況/相手の出方によって立ち回りを変えていくこと"です。
立ち回り方が変わるからオモシロイんですよね。アクションゲームは。
だから、状態異常で立ち回りを変えよう
例えば、以下の通りです。
状態異常:毒
効果:一定時間経過する度に体力が減少する
立ち回り:相手の隙を見て解毒剤を飲む←飲むタイミングが遅いと死ぬ&攻撃を受けるリスクがある
毒って、プレイヤーの立ち回りを変えやすいんですよね。
なぜなら、「毒になったら回復しなきゃ」っていうふうに持っていきやすいからです。
でも、毒を解除するためには足を止めて解毒剤を飲む必要があるので、そこに駆け引きが生まれる感じです。
このように、状態異常を作る際は「どのようにして立ち回りを変えるか」を意識して作ってみると良いですよ。
ただ、立ち回りが変わる場合、モーションなども必要になってくると思うので、工数は少し掛かるので注意してください。
状態異常の作り方③:ネタとしての状態異常
ぶっちゃけ、全部の状態異常がシリアスである必要はないです。
簡単に言えば、肩の力を抜いて適度に笑えるような状態異常もあって良いと思います。
実際、ゲーム開発の現場では、緩急をつけるために、あえてそういった状態異常も1個2個しこむことが多いですよ。
例えば、『隻狼』の「老化」という状態異常
『隻狼』っていうゲームには、「老化」っていう状態異常があります。
効果内容としては、その名の通り、”一気に老化してほとんど動けなくなる”といった感じです。
コレとかは完全にネタ枠として仕込んでいると思いますよ。
アクションゲームの状態異常の作り方:まとめ
最後にもう一度まとめておきますね。
アクションゲームの状態異常の作り方は、以下の通りです。
・パラメーターに関する状態異常
・立ち回りが変わる状態異常
・ネタとしての状態異常
基本的には、"実装コストが安いパラメーターに関する状態異常"を作って、ボリュームを増やしていけばと思います。
そのほかの状態異常については、余裕があれば、着手する感じで良いと思います。
もちろん、立ち回りが変わった方がおもしろいけれど、工数が掛かりやすいのでマストではないかなと。
尚、ゲーム開発について勉強したい方は以下の書籍がオススメです。
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ゲームクリエイターとしての制作スキルを身に付けたい方は、専門学校で勉強しておくと良いですよ。
ゲームプランナー/デザイナー/プログラマーなど業務に必要となる知識について実践的に学べるので。
アミューズメントメディア総合学院 は、ゲーム業界でも卒業生の方が多いので、進路先の候補として良いかなと思います。
それでは、今回はこんな感じで終わりたいと思います。